――映画の客離れというお話が出ましたが、一方でご出演もされた『国宝』など100億円越えの記録的な超大ヒット作も今年はありました。
瀧内:映画館にお客様が出向いてくださる状況は、とてもうれしいです。『国宝』に関しては何回も何回も映画館に足を運んでくださる方がいると聞いておりますので、こんなにうれしいことはないと思っています。
――瀧内さんご自身も出演作が公開・放送になるたびに話題になりますが、この人気をどう受け止めていらっしゃいますか?
瀧内:出会いに感謝しています。デビュー当時に比べたら、ものすごくたくさんのお仕事をさせていただいていますので。昨年独立しましたので、気を引き締めて、ひとつひとつのお仕事を丁寧にやらせていただく想いではあります。自分が役者として大切にしている、遅刻をしない、セリフをしっかり覚えていく、挨拶をする。それだけを大切にやってまいりましたので、これからも変わらずに守っていくつもりです。
――反響を受け、変化したことなどは?
瀧内:どんどん技術を磨いて、芸の厳しさを知っていくなかで、観ていただく方が多くなればなるほど、責任の大きさを感じています。楽しみにしてくださっている方がいますので、そこへの責任は非常に大きくなってきたなぁと思います。自分が好きだからこそやり続けてきたお芝居ですが、やはりファンの方がいてこそだと実感します。
映画の話からは離れますが、7月期のドラマ『放送局占拠』は子どもたちから大人気でして(笑)。あれは前作の役柄を続投した役でもあったので、大変な反響をいただきました。
――子どもたちの反響はうれしいですよね。
瀧内:わたしは子どもたちに受ける作品をやってきてなかったので、子どもたちから声がかかるなんて、これまでの自分のキャリアでは考えられないことでした(笑)。だからその意味でもうれしかったですし、その物語の世界に入り込んでくださって「応援しています!」「サインもらえませんか」と言われると、本当にうれしいんです。物語としての(展開などの)裏切りはあれど、俳優としては裏切れないなという想いはあります。
――『放送局占拠』のみならず、『クジャクのダンス、誰が見た?』、朝ドラ『あんぱん』もニュースになりましたね。
瀧内:強烈な役がわりと多いからですかね(笑)。『あんぱん』も戦時中の厳しさ、心得を教える教師役でしたので、当時の日本が置かれている時代を象徴する役でもありますし、興味深い役だなと思いました。
呉美保監督の『ふつうの子ども』という映画でも嵐を巻き起こす起爆剤のような役として登場しておりまして、『国宝』も最後を締めくくる、印象に残る役でして、締めになる役割で呼んでいただくことをとてもうれしく思っております。