『ばけばけ』が描く“親ガチャ”地獄に震える。遊女でも名家でも、出自で人生が狂う「時代の残酷」
「実家が太い=良いこと」なのか?
どこか自分にも周囲にも甘く、世間を軽んじている印象さえ受けてしまう。それゆえにタエに反論できず、未だに“社長就活”という採用率が限りなく0%に近い就活から脱せていない。ある意味、三之丞も親ガチャの被害者と言える。 なみも実家が裕福であれば、そもそも遊女になることはなかったかもしれない。ただ、三之丞を見ていると、決して「実家が太い=良いこと」という“正義”が、必ずしも揺るがないものではないと感じる。 いま現在、成功者に対する「実家が太いだけ」という恨み節をよく見聞きする。もちろん、「実家が太い」ということは人生をより良く生きる要因ではあることは間違いない。しかし、決してそれを約束してくれるわけでもなく、時代の変化によっては大きな足かせにもなり得るのでは、と感じた。 <文/望月悠木>
望月悠木
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki
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