“愛のホルモン”が体を求める? セフレを欲しがる女の特徴
恋愛の面倒な駆け引きを避け、体だけの関係……いわゆる「セックスフレンド=セフレ」関係を楽しむ女性が増えているという。従来のセフレといえば、男性との交際が叶わずセフレというポジションを泣く泣く受け入れる女性が大半だった。
だがここ最近は、むしろ自発的にセフレを探す女性が目立つ。その現象を恋愛科学研究所所長・荒牧佳代氏と精神科医のTomy氏はこう分析する。
「女性はSEXでオーガズムを感じると、オキシトシンという“愛のホルモン”が分泌されます。このホルモンは相手を信頼し、愛着を抱く作用をもたらすため、快感に導いてくれた男性とのSEXに体が執着してしまうんです。結果、『都合のいい女はイヤ』と頭でわかっていても、体が男性を無条件に求めてしまう。こうして仕方なくセフレになるのが従来の受け身パターンです」
しかし、社会進出する女性の増加に伴い、自ら好んでセフレを持つ女性が現れたという。
「社会的地位を築きたい女性は、男性優位の競争社会で成り上がりたいと思っているため、恋愛を求めつつも没頭して仕事が手つかずになることを避けようとします。ですが、彼女たちにも性欲はあります。そこで、“仕事を優先したいから体だけ”と割り切り、セフレをつくり始めたと考えられます。これなら都合のいい女性にならずに、“仕事と性欲をコントロールできるいい女”っぽくいられますからね」
また、SEXのハードルの低さも大きく関わっている。
「結婚という形にはこだわらず、自由に生きる女性に憧れる風潮があります。そのため、“SEX=生殖”という生物本来の考えはもはやなく、“SEX=快楽の追求”という考えのもと、セフレづくりを奔放に楽しんでいるのかもしれませんね」
一方、「青い鳥症候群に陥っている女性が増えているのでは」と分析するのは、精神科医のTomy氏。青い鳥症候群とは、現実に満足できず、「もっと理想の人や物があるはず」と、新たに人や物を探し続けてしまうことだ。
「これまで出会いの場といえば、職場など狭いコミュニティに限られていました。ですが、娯楽コンテンツは世に溢れていますし、また、SNSなどが完全に普及したことで、出会いの間口が広くなった。潜在的にですが、女性からアプローチできる男性が増えたことになります。つまり、出会いの選択肢が増えたことで、“白馬の王子様はほかにいるかも”と、いろんな男性と体だけを重ねる女性が増えているのではないでしょうか」
草食男子・肉食女子ブームの影響により、女性の性の意識が変化したことも大きい。
「草食男子の特徴である“相手から言い寄られるのを待つ”といった受け身のスタンスは、女性的な考え方。そんな彼らを攻略する側に立たされた女性は、能動的にSEXを楽しむという男性的な思考でもって、男性にアプローチせざるを得なくなったんです」(荒牧氏)
当然、アプローチする側となれば挫折も味わうこととなる。それにより自信は大きく揺らぎ、やがて不安が生まれる。こうした女性の自信のなさが、一層SEXへと駆り立てているのではとTomy氏は続ける。
「コンプレックスを抱え、自分のことが嫌いな女性ほど、男性に求められたいという承認欲求が強い傾向にあります。求められることの究極はSEXですから、いろんな男性に認められようとセフレを増やしていくのかもしれませんね」
【Tomy氏】
ゲイの精神科医。ブログ「ゲイの精神科医Tomyのお悩み相談室」が人気を博す。著書に『おネエ精神科医のウラ診察室』(セブン&アイ出版)などがある
【荒牧佳子氏】
恋愛科学研究所所長、医療アナリスト。人間行動学による恋愛科学ロジックをもとに、カウンセラーとして活躍。http://www.d-fujita.jp/renaikagaku/
<PHOTO/Dmitry Kotin>
― 女が熱望する[セフレの条件]【9】 ―