映画界に大きな影響を与えただけでなく、政治的・社会的な発言やリベラルな立場でも知られていたライナー監督。夫妻の訃報を受け、ロサンゼルス市長やカリフォルニア州知事が声明を発表し、哀悼の意を表した。
バラク・オバマ元大統領もXに追悼文を投稿し「ロブとミシェルの悲劇的な死に心を痛めています」「目的に満ちた人生を送り、多くの人々にその価値観とインスピレーションを残した2人を心から悼みます」とメッセージを寄せた。
また、オバマ氏と妻のミシェル夫人は、監督夫妻が死亡したとされる日に、2人に会う予定があったと明らかにした。ミシェル夫人は米トーク番組『ジミー・キンメル・ライブ!』に出演した際、「私たちは彼らと長年の友人で、その夜に会う予定だったんです」と語り、衝撃と深い悲しみを示した。
米映画会ではとりわけ深い悲しみが広がっている。俳優や監督仲間たちが相次いで追悼コメントを発表する中、かつてライナー監督が手がけた作品に出演した俳優たちからは沈痛な声が上がっている。
『スタンド・バイ・ミー』の元子役たちも悲しみのコメントを次々と発表。ジェリー・オコネルは「彼は父のような存在でした。親を亡くしたような気持ちです」、ウィル・ウィートンは「彼は実の父親以上に愛を示してくれました」、コリー・フェルドマンは、「彼は私たちみんなに、愛と思いやりを示してくれました。そのおかげで、私たち子役たちは彼との間に強い絆と信頼を築くことができました」と亡き監督を偲んだ。
『恋人たちの予感』に出演したメグ・ライアンは自身のSNSで、「真実の愛や物語、笑いの価値を教えてくれた」と感謝したうえで「彼がいなくてどれほど寂しくなることか……」と悲痛な思いを明かした。

ロブ・ライナー監督の名作『恋人たちの予感』
※画像はAmazonより
同じく『恋人たちの予感』に出演し、長年にわたってライナー監督と交友関係が続いていたビリー・クリスタルは、事件後すぐに現場となった自宅を訪れ、悲しみに暮れる姿が目撃されていた。そんなビリーは、自身の妻や友人ら数名で共同声明を発表。「彼の才能と人柄は映画界だけでなく多くの人々の人生に残る」と深い悲しみと敬意を表し、最後にこう結んだ。
「ロブのお気に入りの映画『素晴らしき哉、人生!』にこんな台詞があります。“人の人生は、たくさんの人の人生に触れている。だから、その人がいなくなると、とても大きな穴があくんだよね? あなたは、その意味をまったく分かっていない”」
<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>