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菊川怜が“事務所先輩の92歳女優”の存在の大きさ語る「わたしのモチベーションになっている」

事務所の先輩、草笛光子の存在がモチベーションに

菊川怜――菊川さんの場合は、子育てをしつつ映画の主演として撮影現場に入られたと思いますが、それも大きな決断だったのではないでしょうか。 菊川:そうですね。ちゃんと集中して、主演として現場に入って務まるだろうかという思いはありました。やる前にできるかなと心配になりがちですが、何事もなんとかなるという漠然とした前向きな気持ちでやらないと何も進まないという心持ちで現場に入りました。 ――年齢によって仕事への向き合い方は変わりましたか? 菊川:若い頃は変なエネルギーがあり、怖いもの見たさでパワーも出ていたと思うんです。でもそれなりに年を重ねると、こんなわたしでも空気を読めるように多少はなってきまして(笑)。いろいろと経験するなかで、向き合い方などは変わってきたかなと思います。 事務所の先輩である草笛光子さんが90代で最近も主演映画をされていますが、お仕事が好きだという情熱や熱意を感じますし、健康づくり、体力づくりなど陰でとても努力をされていて、本当にすごいなと思います。それがわたしのモチベーションになっていますので、わたしも末永く続けていけたらと思っております。

我が子には「生きる喜びを見つけられるように」

菊川怜――健康づくり、体力づくりも含め、来たる50代は、どのように迎えますか? 菊川:もう50歳近い。早いなと思います! でも人生はわからないですよね。わたし自身はこれからの時期も大事で、時間はあっという間に過ぎていくので、その貴重な時間をどういうふうに過ごしていこうかと思っているところです。ただ、まだ小さい子どもの子育ての真っ只中なので、手探りでいろいろなことをしている段階なんです。 人によってはいくつまでに何をするなど、はっきりした目標があるのかもしれないですが、わたしは今をひとつひとつ乗り越えてくという状態です。もう少ししたらいろいろなものが見えて、いろいろと思い描けるようになるのかもしれないですが。 ――また、物事が急速に変わっていく時代ですが、お子さんたちにはどう生きていってほしいですか? 菊川:どんな時代でも平和であることが大前提で、そうあってほしいと思いますけど、生きる喜びを見つけられるようになってほしいです。生きていることは楽しいよと、時間を楽しんで生きてほしいなと思います。 仕事でもなんでも好きなものを見つけてほしいですが、それは自分にしか見つけられないものじゃないですか。親がどうこういうものではない。自分で切り開いていくものですよね。失敗もしながらたくまくしく生きていく力は、どの時代でも普遍的に必要な力、スキルかなと思うんです。それさえあれば、適応して変化していけるはずですし。 ――親の理想を押しつけない考え方は素敵ですね。 菊川:子どもたちのほうがわたしたちの世代より新しい感覚ですから、今も変化し続けていて、彼らから教えてもらうこともたくさんあります。親の先入観で押し付けてしまってはダメだなと思いますね。 <取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>
トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。
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