「女ばっかり年齢と戦わせられて、やってられねーよ!」40歳・元TBSアナが傑作映画から受け取った“強烈な”メッセージ
必ずしも美しさ=若さとはならない
ただの「狂気」で済まされない強烈なメッセージ
SF要素もあり、ポップに描かれている部分もありますが、女性も、男性も、この作品を観れば絶対に何か所かドキッとするタイミングがあるはず。
パッと聞いたらひどい暴言だけど、これに近いこと、女性のみなさん言われてきませんでしたか? もしくは、あなたは誰かに対してこんなこと、感じたことありませんでしたか? とみんなに問いたくなるような言葉もたくさん。
それもそのはず、女性監督・ファルジャ氏が「これまでの自分の映画キャリアの中で経験してきたことをもとにこの映画を作った」と断言しているのですから。本作品はフィクションですが、根底にあるのは不条理な若さ信仰やルッキズムへの強烈な疑問符。社会への強い抗議そのものなのです。
ネタバレに繋がりますので詳細は避けますが、エリザベスに降板をもちかける男性が「50になればアレがなくなる」との発言をするシーンがあり、おそらくこれは生理のことを指している模様。なんてこと言うんじゃボケ! と憤りながらそのシーンを観ていましたが、エンディングに近づいてきたときに「そんなに血がでることがえらいなら、思う存分見せてやるわ!」と観客の度肝をぬくようなあるシーンにその伏線がつながっていたり。
ただの恐怖や「狂気」では済まされない、「誰のせいでこうなったの? ちゃんと目に焼き付けてよ?」という強烈なメッセージがもうすごいすごい。
年齢、性別に関係なくすべての人が観るべきサブスタンスとともに、どうぞ良いお年を。
<文/アンヌ遙香>アンヌ遙香
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne
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