キムラ緑子「介護制度は優しくない」 認知症の母、片道6時間の遠距離介護。高額な費用と自費リハビリの限界を告白
人はあるとき転がるように歳を取っていく
――現実的に、親と離れて暮らしている人が多いです。私もそうです。実家に見守りカメラを付けたいのですが、Wi-Fi環境がなくて。
キムラ:義理の母親には付けました。周囲に聞いてみると「兄弟がみてくれている」という人が多いですけれど、最終的には施設に入れることになっていきますからね。人ってあるとき転がるように歳を取っていきますから。私も気づくのが遅かった。うちも老老介護で父がみてくれていて、「最後まで自分で面倒をみる」と言っていたんです。だけど夫婦って、なかなかお互いの変化に気づかないんですよ。私が気づいたときには、状態が悪くなっていて。施設にと決断しました。
――老老介護も問題ですし、子どもが家でみようとしても、仕事を辞めなければいけなくなってきます。
キムラ:そうです。家にいてほしいと思うならね。でも本当に大変になっていきますから。お互いに自滅しないためにも施設は考えていくことになります。ただ、施設もなかなか入れないし、とにかく高いです。たとえばうちの父の介護1くらいじゃ本当に高い。介護施設に払って、おむつ代にはじまって、介護製品にしても、とにかくなんでもかかる。そして現場には介護の人たちが足りていない。
――やはりそこを手厚くしていかないと回らないですね。
キムラ:そうですよ!
――大変な世の中ですが、そんな日々でも新年から笠置シヅ子さんのパワーを浴びることで、少しでも元気になってもらえればというお気持ちでしょうか。
キムラ:本当にね。歌って踊っての舞台ですけど、明るいだけじゃないお話なんです。私の感覚では、今の時代にちょっとかぶる気もしています。うさうさしている人がいっぱいいるというか。そこを元気になりたいと思う人に来てもらえたら、すごく嬉しいんですけど、本当に大変な人は、舞台を観に行くこともできないんですよね。だからなおのこと、足を運んでくださる方にだけでも、「あー、すっきりした!」と思ってもらえる芝居にしたいと思っています。
ご実家へもね、みなさん行ってあげてくださいね。いま元気であっても、ご両親が元気にしゃべれるときは、そのときしかないですよ。
<取材・文・撮影/望月ふみ>望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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【公演情報】
舞台『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』
2026年1月2日(金)~20日(火)東京・三越劇場
2026年1月24日(土)~2月1日(日)京都・南座
舞台『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』
2026年1月2日(金)~20日(火)東京・三越劇場
2026年1月24日(土)~2月1日(日)京都・南座



