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真冬の札幌であわや遭難!? 40歳・元TBSアナが自分の“苦手”を痛感した出来事「自分に呆れた…」

 2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(40歳・以前は小林悠として活動)。
アンヌ遙香さん

アンヌ遙香さん

 TBS退社から紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。 【過去記事】⇒連載「アンヌ遙香の北海道シングルライフ」を読む  第66回となる今回は、2025年末、アンヌさんが自分の“不得手なこと”を痛感した出来事についてつづります(以下、アンヌさんの寄稿です)。

自分の“不得手”を実感したできごとが

 40を過ぎて、自分の向き不向き、得手不得手がよくわかるようになってきた気がします。  基本的に子どもの頃から文章を読むスピードは速かったし、読むのも書くのも好きだし、どちらかといえば国語力に関しては高いほうかな、なんて自己分析している私。実際にこうしてコラムも持たせていただいているのだからありがたい限り。好きなことがお仕事に繋がっているわけですからね。  一方で、数学は子どものころから笑っちゃうくらいできない。高校生のころは平気で15点とかとっていた記憶があるほど。何がわからなかったのかすらわからない、という壊滅的状態。だから今でも数学的思考やら、空間把握能力やら空間認識能力がとんでもなくひどいレベルなのではと自己分析しています。  先日、私が暮らす札幌市「モエレ沼公園」にて素敵な弾き語りライブがあったので足を運んできたのですが、そこでその「空間認識能力」の欠如を痛感する出来事がありました。  モエレ沼公園はイサムノグチがデザインしたアートパーク。自然とアートが融合した美しい景観が人気で、観光スポットにもなっています。その公園の文化活動の拠点となる施設が公園を象徴するモニュメント「ガラスのピラミッド」。  そちらでライブがあるのでウキウキしていたのですが、私の壊滅的な方向音痴および空間認識能力の危うさに周囲の人間は気づき始めており、迷うことを危惧した私の事務所スタッフにより、モエレ沼まで車で送ってもらえることになりました。

目的地は目の前なのに、入り口が見当たらない!

モエレ沼講演のガラスのピラミッド

モエレ沼講演のガラスのピラミッド

 真っ白い雪に閉ざされたモエレ沼公園にたたずむ、神秘的なガラスのピラミッド。時刻は19時前。ほの暗い中に、神秘的な明かりをポッと灯したように輝く神殿のような存在感。その美しさは息をのむほど。結局「絶対に迷わないように」と念をおされた形で大ピラミッドを見上げるかたちの駐車場まで送ってもらえた私。車を降りて、さあピラミッドはすぐそこ、とくるっと振り返った私。ここで問題が。  入口がわからない。ピラミッドは目と鼻の先に見えている、でもどこから入るのかがまったくわからない。駐車場には私ひとり。誰かについていくこともできない……。  周囲を見渡せば小高い雪のつもった丘が私の視線の先にあるではないですか。よくよく見ればひとの足跡が轍のように残っている。なるほど公園だからこういう「原始的」な道を歩ませてピラミッドに向かうのかと私は妙に納得し、その急こう配ともいえる丘を無心で登り始めました。  視線の向こうには輝くピラミッド。よっし! とサクサクと雪山をのぼる私。それにしても雪が、あまりにも深い。日々の犬の散歩で馴れているものの、えい、えいっと右足左足をいちいち雪の中から引っこ抜かねばならないほど。どんどん近づくピラミッド。一面ガラスなので、ライブの設営スタッフのみなさんが忙しそうに動き回るのがよく見える。ただ! 何かがおかしい。  そう、ピラミッドの中の様子は手に取るようにわかるものの、入り口が一向に見当たらないのです。中は見えている、なのに中に入れない、しかも周囲はまっくら。雪はどんどん深くなり、いよいよ靴の中にまで入ってくるほど。これは……さすがに……なにか私はとんでもないミスを犯しているのではないか、と気づいた私(遅い)。

息も絶え絶え、会場の知人に電話をかける

アンヌ遙香さん ちょっとこれは一度引き返そうか、と踵を返したところ、なんと私の後をついてくる女性が!! どうやら私が自信たっぷりに雪の中をピラミッドに向かっている姿を見かけて、その彼女もつられてこちらに向かってきたというではありませんか。暗闇の中、雪に埋もれた初対面の女二人同士。 「この道……絶対なんかおかしいですよね!?」と息も絶え絶えになりながら言葉を交わした私たち。  いよいよライブの開演時間が迫っているという中で会場にいらっしゃると聞いていたお世話になっている方に電話をし、雪の中さまよっている旨を伝えると「何やってるんですか!駐車場に戻ってきてください! モエレ沼で遭難する人なんて初めて聞きましたよ!」と呆れ口調で言われ(まったくもってその通り)、結局元の場所に戻って冷静に周りを見渡せば、ピラミッドに繋がった美しい回廊が石壁の後ろにあったのでした……。  絶対に迷わないように、遅刻しないように、と周囲が気をもんでくれたにも関わらず、目的地がはっきりと見えているにも関わらず、それでもとんでもない道を選択してほんの数メートルの距離で遭難をする私ってどこまでダメな奴なんだろうと心底自分自身に呆れ返りました。  そしてここまで空間を把握する能力がないという事実に戦慄を覚えたというのが正直なところ。自分がある程度方向音痴なのは昔から気づいてはいましたが、ここまでひどいミスをおかすとさすがに自己嫌悪がひどい。  あっピラミッドで行われたライブは本当にロマンチックで最高だったのはいうまでもありません。次回はさすがにもう一人でいけるかな。いや、雪がない状態だとまた景色が変わってわからなくなっちゃうかも……!? こんな私、大丈夫でしょうか。 <文/アンヌ遙香>
アンヌ遙香
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne
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