ここまで嵐の歴代シングル売上トップ5を見て、あの人気曲がない…と思った方もいるのではないでしょうか。嵐は意外にも、デビュー曲以降なかなか人気が上がらず、CD売上に苦戦し、当時の事務所で異例中の異例として、
1位を取るための握手会を計4度開催しました。
握手会が功を奏し、2005年に発売された春の受験・卒業定番ソングの「サクラ咲ケ」、松本さん出演ドラマ『花より男子』(TBS系)主題歌の「WISH」は1位を獲得しています。ただ、売上はそれぞれ17万枚、30万枚と、今の嵐から考えれば物足りない数字でした。

CD「WISH」 (Storm Labels)
2007年、嵐の本格ブレイクのきっかけとなった『花より男子2』主題歌の「Love so sweet」も45万枚、多幸感あふれる応援歌「Happiness」は29万枚と、楽曲の知名度と比べると思ったより売上が高くありません。
嵐人気が加速していった2008年と2009年には、「truth/風の向こうへ」と、「Believe/曇りのち、快晴」が、年間シングル売上1位を記録します。ただ、その売上はそれぞれ65万枚程と、こちらもそこまで驚異的な数字ではありませんでした。
CDシングルチャートの歴史を振り返ると、1990年代はカラオケボックスの普及で一気に売上が上がり、ミリオンヒットが量産された時代。ですが、嵐がデビューから大ブレイクにまで至った2000年代は、楽曲の配信・ダウンロードの開始やiPod・iTunesの登場により、
わざわざCDを買う層がぐっと少なくなっていった頃でした。
現在もストリーミングサービスが普及し、全体的にはCD売上は落ちています。ただ、2010年以降、
AKB48の台頭と共に“推し活”文化が浸透し、特典目当の複数枚買いや、推しのためにCDを“積む”(※大量購入する)ことが一般的になり、一部人気アーティストはミリオンヒットを連発しています。
1990年代のCDバブルと、2010年代以降の推し活文化の狭間にブレイクした嵐。彼らの売上トップ5も、1990年代と2010年代以降の楽曲です。

CD「Believe/曇りのち、快晴」(Storm Labels)
そんな中でも、前述のように2008年と2009年に年間チャートの頂に立った嵐。ただ、80万枚以下で年間シングル売上1位を記録したのは、1987年の瀬川瑛子さんの「命くれない」(売上42万枚)以来、約30年ぶりの珍記録となりました。その後は毎年、年間シングル1位楽曲は90万枚以上を売上げているので、この珍記録は16年破られていません。
嵐は国民的人気となってから活動休止まで、毎年のように年間シングル売上トップ10にいくつもの楽曲を送り込み、記録よりも記憶に残る「本当のヒット曲」を届けてくれました。ラストライブに向け当然寂しさはありますが、久しぶりのパフォーマンスで、そうした楽曲がどんな輝きを見せるのか、今からとても楽しみです。
<文/こじらぶ>
こじらぶ
フリーライター・コラムニスト。言語学修士。男性&女性アイドル、地下、ローカルなど様々な現場を経験。ドラマ、スポーツ、エンタメ全般から時事ネタまで。俳優、アイドルなどのインタビューも。X:
@kojirabu0419