――今までなんとなく芸妓さんという存在は知ってはいたものの、このポストをきっかけに改めて芸妓文化に興味を持った人は多いと思います。有馬芸妓さんは普段、どんなお仕事をされているのでしょうか?
一晴:みなさまのイメージどおり、お座敷に出るのが主なお仕事なんですけども。有馬芸妓の踊りや三味線の披露、お座敷あそびをしたりです。

一度は体験してみたい大人の嗜みだ

見惚れてしまいそう
あと、コロナ禍以降は「芸妓カフェ一糸(いと)」という気軽に来れるお店を土日のみオープンしています。
――普通にカフェとして利用したら、芸妓さんが接客してくれるのでしょうか?
一晴:そうですね。店内には舞台があって、コーヒーを飲みながら踊りが見られます。あと、実際にかつらを見て触ってもらったり、非日常な文化が体験できるカフェになっています。

現役の芸妓が常駐するカフェ

敷居の高いイメージがあった芸妓の踊りやお座敷あそびが気軽に楽しめる
――有馬芸妓のホームページによると、大学で講義もされているようですね。
一晴:そうなんです。特に、女性の方は芸妓文化が気になるところのようで、ご依頼があったときに芸妓の歴史などを講演し、さらに三味線や踊りも披露する。講演と公演がセットになっているようなことをさせていただいています。

有馬温泉の湯女文化や現在の芸妓の姿、花柳界について現役の芸妓さんが講演

踊りの体験も
ほかには、現役の芸妓がメイクから着付けまでをお手伝いする「芸妓変身体験」というプランも用意しています。

「芸妓になってみたい」という夢を叶えることができる
――このプランは、女性のみですか?
一晴:それが、意外に男性にも需要がありまして(笑)。かつらを着用するため頭の大きさや体格があるので要相談になります。
――今、芸妓を目指す女性は多いのでしょうか?
一晴:本気で芸妓になる子自体は少ないですが、憧れを持っていて「なりたい!」という子は常にいます。気軽に芸妓カフェに様子を見に来られたりします。
――一晴さんはどのような経緯で芸妓さんになったのでしょうか?
一晴:私は大学卒業後、海外に興味があったので外国に行こうと考えていたのですが「一旦、日本のことを深く知ろう」と思い立って芸妓になり、そのまま今に至るという感じです(笑)。

業界は縮小傾向にあるが、有馬芸妓の芸妓さんは陣容が豊富
――一方、芸妓の派遣を依頼するお客さんはどういう方が多いですか? 個人的には、大人の高級な遊び方というイメージですが……。
一晴:企業の会長さんクラスのご高齢の方も多いですが、私たちもSNSの発信で間口を広げているので「自分のおじいちゃんの古希のお祝いで踊りに来てほしい」とご家族が呼んでくれはったり、「お店の何周年記念」「会社の何周年パーティー」などの宴席が行われるホテルや船上のパーティーに行って踊ったり、本当にさまざまです。
――有馬芸妓さんのホームページを見ると、「有馬温泉に兵庫県内で唯一残った芸妓文化」と書かれていました。現在、芸妓業界は縮小傾向にあるのでしょうか?
一晴:全国的にそうですね。次第に廃業するところも増えていって、今は兵庫県内は有馬だけという状況です。やっぱり、芸妓の年齢も上がってきていますので、後継者がいなければどうしてもなくなっていきますよね。
――後継者不足という現実は日本全体、どの業界にもある問題ですね。
一晴:そうですね。職人さんと一緒で、「明日からやります」とはいかないので。