「先の見えない不安と、ままならない生活。避難所にはどうしても暗い空気が漂います。気を紛らわせるもの、笑顔になれるものがないと、正直、心が持ちません。電気を使わずに楽しめるエンタメアイテムも用意しておきましょう」

レスキューナースの辻直美さん。防災リュックから食料を取り出して使い、補充する「ローリングストック」を実践
おすすめは、トランプなどのカードゲームや絵本、占いの本など。みんなで楽しめるものであることも大切です。
「絵本の読み聞かせを『宝塚風に読む』『関西弁で読む』など、お題を出して読み合い、大盛り上がりしたことがあります。笑い声が前を向くきっかけになる。そんな空気をつくる人が一人いるだけで、場は変わるんです」
【辻 直美さん】
国際災害レスキューナース
国境なき医師団の活動で上海に赴任し、医療支援を実施。帰国後、看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。その後、赴任先の聖路加国際病院で地下鉄サリン事件の対応に従事し、災害医療の道へ。看護師歴35年、災害レスキューナースとしては31年活動し、被災地派遣は国内外合わせて30か所以上。2016年にはレスキューに入った熊本地震で本震を経験。2018年には大阪府北部地震で自宅が震度6弱の揺れに見舞われるも、100円グッズのアイテムを中心とした対策で家も自身も無傷だった。現在はフリーランスの看護師として、要請があれば被災地で活動を行うほか、防災教育にも注力
<取材・文/鈴木靖子 撮影/星 亘>