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年収800万円を超えても幸福にはなれない!? 阪神ファンと「サンテレビ」に学ぶ、科学的に正しい“小さな幸せ”の数え方

阪神タイガースの試合を毎試合「ノーカット完全生中継」することで、関西のファンから絶大な支持を集める独立局「サンテレビ」。実は、この「身近にサンテレビがある環境」に感謝し、喜びを感じることこそが、私たちの「幸福度」を高める重要な鍵を握っています。 近年、行動経済学などの研究では「所得が増えても幸福度が上昇するとは限らない」という『イースタリン・パラドックス』が注目されています。やみくもに大きな成功や高収入を追い求めるよりも、今そこにある「足元の小さな幸せ」に目を向けることの方が、はるかに人生の満足度を左右する可能性も高いのです。 マーケッターの牛窪恵氏が身近な幸せを実感する「幸福カウント」の具体例と、科学的に実証された幸せの損益分岐点について解説します。 ※本記事は、『「幸福感」に満たされたいなら阪神ファンを知りましょう マーケッターが気づいた「効果と法則」』より一部を抜粋し、再編集しています。

「プチハッピー」に目を向けるとそこには「サンテレビ」が

甲子園甲子園球場の「神整備」で知られる、阪神園芸。その阪神園芸と並んで、阪神ファンが感謝の意を示すのが「サンテレビ」 。兵庫や大阪をはじめ、奈良、京都、徳島、鳥取の一部など、近畿地区と周辺の広域圏をカバーする独立系のテレビ局で、タイガース戦の中継権を持つ日は、ビジターの際も含めて毎試合「ノーカット完全生中継」を貫いています。 それだけではありません。「投手の投球を漏れなく実況する」ことをモットーに、イニングのあいだに挿入するスポンサーなどのCMを、最長でも90秒(1分30秒)程度にとどめるという徹底ぶり。また番組終了時には、その試合の見どころを再編したダイジェスト版の動画が流れるのですが、これがまた素晴らしい! ベンチの選手の表情なども含め、「そこそこ!」「さすがサンテレビ、わかってるな」という切り取りシーンが満載です。 私のような東京在住者は、残念ながら関西に出張したとき、あるいは公式YouTubeにアップされた一部しか観られません。それだけに、「関西に住んでいる人は、サンテレビが観られていいなぁ」との羨望を抱くのも事実。逆に、兵庫や大阪など関西在住の阪神ファンからすれば、いつもサンテレビが身近にあるだけで、「関西に住んでいて良かった!」と感じられる。 実際、そうした喜びの声もよく耳にします。「それぐらいのことで喜ぶなんて、ずいぶんオメデタイな」と思うかもしれません。 ですがじつは、こうした「足元の小さな幸せ=プチハッピー」に目を向けることこそが、幸福度を高めることもわかっています。

幸福感の正体とは? 所得が増えても幸福とは限らない

お茶を飲んでリラックスする女性イースタリン・パラドックスをご存じでしょうか。70年代、米国の経済学者リチャード・イースタリン氏が発見した傾向で、「幸福感」を構成する要因は何か、を分析するきっかけにもなった研究です。 最大のポイントは、「所得が増えても、幸福度が上昇するとは限らない」こと。 それまでの定説では、「所得の高い人は、低い人よりも幸福度が高い」と言われており、実際にもその傾向が立証されていました。ですがイースタリン氏は、まず70年代に「豊かな国」と「貧しい国」について、また90年代には「米国と欧州(9か国)、日本」を対象に、いずれも所得と幸福度の長期的な関係性を調べました。 すると、米国と日本では「所得が増えても、幸福度は上昇していない」ことがわかった。さらに欧州9か国のうち2つの国では、所得が増えるにつれて、幸福度がむしろ下がる(負の相関にある)ことが判明したのです(「プレジデントオンライン」24年4月30日掲載)。 では幸福度のピークは、年収いくらぐらいなのでしょうか。15年にノーベル経済学賞を受賞した米国プリンストン大学のアンガス・ディートン教授は、幸せの損益分岐点を「約800万円」だとしています。それ以降は、年収が増えても幸福度は大きく変わらない、とのこと。じつは日本でも、19年に内閣府が「生活への満足度(幸福度)」と年収の相関を見る調査を行なっていますが、やはりほぼ同じような結果が出ています(三菱UFJ銀行サイト/20年3月23日掲載)。 つまり、「幸せはお金じゃない」。800万円といえばかなりの高額所得者なのに、さらにそれ以上を稼ごうと躍起になって、家族や大切な友人をないがしろにしたり、睡眠時間を割いて仕事に充てたりすることは、健康や人間関係を害することにも繋がります。やみくもに「大きすぎる幸せ(高収入)」を望むことが、むしろ逆効果になる可能性も大きいわけです。
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今自分が持っているものを数えることが大事
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