
会食後、美咲さんは義母に「さっきの話って、本気なんですか?」と確認しに行ったそう。すると、義母は「どうせ、私らはそんなに老い先が長くないだろうから、そこまで負担はかけないと思うよ」と根拠のない励ましをするだけでした。
「現時点で持病はないとのことだったので、何を根拠にそんな気休めが言えるんだろうと思いました」
当然、同居宣告を受けた義兄夫婦も混乱。「こんなことになるんなら、家族旅行なんて計画しなきゃよかった…」と美咲さんらは不満を言い合いました。
「もうひとつ、イライラしたのは煮え切らない夫の態度でした。お義兄さん夫妻は要求を飲まないという気持ちで一致団結していて、『後で親父に抗議してくる』と言っているのに、夫は『まだ決まったわけじゃないし、その時になったら考えよう』と言うだけでした」
問題を先送りしているだけに過ぎない夫の態度に、美咲さんは不満を募らせると同時に、義父らの要求を受け入れる可能性があることを怖く思いました。
「子どもがいなくても、うちは自分たちの生活だけで精一杯。義父母を支援できる金銭的余裕なんてありませんから」

※画像生成にAIを使用しています
帰りの車内が沈黙になった“地獄の温泉旅行”から数日後、美咲さん宅に義父から信じられない郵便物が届きました。それは、“支援計画書”と書かれた手作りの冊子。将来の介護費や生活費が概算されており、美咲さん夫妻に支払ってほしい金額も記されていました。
それを見た瞬間、美咲さんの中で何かが弾けたそう。冊子を夫に見せるよりも前に、義父へ電話。「あんなもの送ってきても、うちは払いませんから!」と告げ、義父母からの着信を拒否しました。
「その後、何回か義父が訪ねてきましたが、追い返しました。どうせ、お金の話しかされないと思ったので」
ただ、そうした美咲さんの態度を夫はよく思っていません。家計の状況を美咲さんが説明しても、「少しだけなら援助できるんじゃない?」と義父母の肩を持つため、夫婦の間には溝が生まれてしまいました。
「どうしても自力での生活が難しいのであれば、福祉の支援を受けられるように私も動きますが、元気なうちから子どもたちをあてにするのは違うと思います。家族って、寄生相手じゃないんですから」
自身の生活が脅かされないよう、義父母から我が家を守る美咲さん。その想いがせめて、夫に通じ、夫婦一丸となって義父母と闘えるようになりますように。
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<取材・文/古川諭香>
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291