夏ドラマで強烈な存在感を放った俳優たち。『告白』のストーカー役・松村北斗と『Tシャツ』で人たらしを演じた松山ケンイチが圧巻だった理由
続々と終盤や最終回を迎えている2026年の夏ドラマ。毎期ドラマをくまなくチェックしている筆者の視点で、今夏“至上の演技”で輝いた俳優ベスト5を挙げさせていただきます。
このドラマシーンで象徴的だったのは、好感度度外視の「視聴者ドン引き粘着男」と「STARTO ENTERTAINMENT勢の復権」がキーワードになっていることです。※一部ネタバレを含みます。
第1位は『告白-25年目の秘密-』(日本テレビ系)で、25年間一人の女性に執着する“ストーカー粘着男”雪村爽太を演じたSixTONES・松村北斗さんです。
これまで好青年のイメージが強かった松村さん。今作では少年期に恋心を抱いた女性に、大人になるまで「見守る」という体で付きまとう爽太を実に生々しく表現しています。
声はかけないまま、長年毎日のように彼女への一方的な想いを日記で綴ったり、彼女のSNSを読み漁り危険因子となりうる人物を勝手に排斥しようとする爽太。松村さんはどこか焦点の合わない目線、妙に冷静な早口、感情を悟らせない口角の上がりで、視聴者がドン引く限界ギリギリまで彼のヤバさに現実味を持たせていました。
これは、彼の端正な顔立ちと清潔感、溢れ出る誠実さがあるからこそ成し得たもの。本来なら許されない言動の数々に「ただしイケメンに限る」を超え、「ただし松村北斗に限る」という言葉がピッタリ当てはまりそうです。
第2位は、『Tシャツが乾くまで』(TBS系)で、失踪癖のある無自覚な人たらしのカフェ店長・瀬尾充を演じた松山ケンイチさんです。
今年に入り、『テミスの不確かな法廷』(NHK総合)、『リブート』(TBS系)、『時すでにおスシ!?』(TBS系)で、いずれも筋が通った熱さを秘める職業人を演じ分け、強烈なインパクトを残してきた松山さん。髪を自然におろしカジュアルないでたちの充を演じた今作では、そのどれとも違い、無駄に周囲の人を狂わせるメロさを見せているのです。
蒼井優さんが演じる妻の咲子に対し、いつも穏やかで気が遣える夫だった充。本性は、咲子以外に深い絆を持つ女性を作った上、1年後にふらっと帰ってきて謝罪もなく「ただいま」としれっと言えてしまう男だった。
そんな充でも、甘い声色、優しい眼差し、ダダ洩れる色気から、咲子がずっと恋焦がれていた夫であるという説得力がありました。
『告白-25年目の秘密-』松村北斗
それでも、視聴者の中には爽太が理解出来ず引いてしまった人もいるかもしれません。松村さんはそのリスクも背負った上で、極限まで「一途か執着か」の境界線上を突き、今作を成立させていました。
『Tシャツが乾くまで』松山ケンイチ
ただ、充が非常識であることは松山さんも承知の上。ご本人のXのユーザー名を「しばかれ山パンイチ」「ピンチ山ケンイチ」など状況に合わせ変えながら、充への「お叱り」を募るなど、華麗にエンタメに昇華させた松山さんのサービス精神も見事でした。












