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大河『豊臣兄弟!』足利義昭役の尾上右近。祖父は昭和の大スター・鶴田浩二、「先祖がスクランブル交差点」と語る華麗なる家系図

日本一美しいなで肩俳優の系譜

 こんな繋がりもある。鶴田の相手役になることが多かった藤純子は、俊藤の娘であり、1972年に七代目尾上菊五郎と結婚した。菊五郎は尾上右近の師匠であり、六代目尾上菊五郎は右近の曾祖父だ。華麗な家系図については『徹子の部屋』でも話題になり、右近は「先祖がスクランブル交差点」と表現していた。  映画界の大スターと歌舞伎界の大物が交わりつつ、歌舞伎伴奏音楽を担う宗家、清元の家に生まれた右近は、歌と演技を両立する稀有な存在になった(歌舞伎界に清元でもある俳優は右近しかいないため、「二刀流」と呼ばれることもある)。  鶴田もまた歌唱を得意とした俳優だった。主演作の多くで主題歌を歌い、『お茶漬の味』で佐分利信とカウンター席で並ぶ場面では歌を歌い出し、『丘を越えて』にいたっては美空を相手に第一声が「いい声だね」だった。歌唱に限らず、ビブラートがかかる台詞回しも魅力的だった。 『徹子の部屋』中盤、右近がミュージカル出演について一息に喋る一幕で時折、祖父に似たビブラートが聞こえたのは決して空耳ではないだろう。  祖父から孫へ受け継がれた特徴は他にもある。着流しの役を演じることが多かった鶴田は何より、なで肩が魅力だった。やわらかく包容力があるなで肩の線が、ロマンチックで繊細な持ち味を醸していた。  孫にも同じような肩のラインがある。2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK)で右近が演じる、室町幕府将軍・足利義昭は重ね着しているため、一見、なで肩ではないように思う。  だが、第11回で義昭が仲間の武将たちを鼓舞する場面(さすが扇子の扱い方が素晴らしい)では、ローアングルの画面上に右近のなで肩が垣間見える。偉大な祖父から歌舞伎の歴史を歩む孫へ……。日本一美しいなで肩俳優の系譜が流れている。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役 “イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。 X:@1895cu
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