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「楽な方」を選んだら、モンゴルで養蜂家になっていた。“早稲田卒・シングルマザー”アジア移住の25年間

島国であるがゆえの日本のもろさ

──モンゴルで暮らす智子さんから、日本はどう見えますか?  少し政治的な話になりますが、モンゴルはロシアと中国に挟まれた小国。大国の緩衝地帯で緊張感があるため、若い人も含めて「自分はモンゴル人である」というアイデンティティを守っていこうとする民族意識が強いです。実際、この2カ国に対してはどこか反発心を持っている人も多い。そういう環境にいると、島国である日本は目に見える国境がなく、「隣国」への感覚が薄いのではないかとも思えます。その分、たとえば移民が増えたときに、自分たちのアイデンティをどう保っていくのだろうか、大丈夫かな、とは思いますね。

モンゴルの子どもたちのために

──これからのご活動について教えてください。  私はずっと「楽な方」を選んで生きてきました。だから今後も、モンゴルの状況がしんどくなったら日本に戻るかもしれません。でも今のところはモンゴルで暮らし続けるつもりです。むしろ日本にたまに帰ったとき、「がんばらないと生きていけない」感覚になってつらいんですよね。街で「バーニラバニラ」って広告の車が走っているのを見ると、すごくストレスを感じたり(笑)。あと、ここ10年くらいの日本を見ていると、チェーン店のテーブルが昔と比べて少しずつ小さくなったりして、街や生活が効率や生産性を求め過ぎている気がして、モンゴルと比べたら窮屈に感じますね。  あと、2026年に50歳になるので、これから徐々に「世のため人のため」に生きていきたいなとぼんやり思っています。日本の景気がいいバブルの時代に小学生だった私は、教育環境もよかったんだと思います。一方で、モンゴルの教育環境はまだまだ発展途上。いま、孫が5歳になるのですが、次の世代がいい教育を受けられるようにできることはないかなと考えています。 <文/おか けいじゅん 写真提供/衣袋智子
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