劇中、インディーは祖父の愛犬だったゴールデンレトリーバーが使っていたバンダナを見つけます。すると、まるでその「先住犬」がよみがえり、いろいろとインディーに教えてくれるかのように目の前にさまざまな映像が瞬時に現れるのです。
どうやらこのゴールデンの飼い主も、つまりトッドの亡き祖父も、なにか「邪悪な存在」に苦しめられた挙句「連れていかれた」ようなのです。
「犬の亡霊が現れた!」とも思いましたが……もちろんその可能性もありますが、よく考えれば犬の嗅覚は人間とはまったく質が違うものであって、かつてどんな犬がいて、どんな時間を過ごしていたのか。人間には理解できないレベルでワンちゃんなりに感じ取っている可能性だってあるわけです。それが犬のすごさ。
この「犬と人間の違い」そのものが話に厚みをもたせ、純粋に心霊現象の話としても観られる一方で、これはインディーだからこそわかる独特な感覚なんだろうか……、実際この「邪悪な存在」って何なんだろうか、と頭をひねることになったり。
物語が進むにつれ、飼い主トッドは少しずつ攻撃的になっていきます。何か「邪悪」な存在に取り憑かれていくかのように……とまどいながらもなんとか飼い主を守ろうと奮闘するインディの姿に、もう切なさが押し寄せる……。

愛犬リリーと私
この映画を観ながら、何度愛犬リリーに想いを馳せたでしょう。
犬の十戒という言葉をご存じでしょうか。人間が犬を飼育するにあたり必ず心に刻むべき「約束」のようなもので、こちらもしペットを飼われている方は目を通していただきたい内容なのですが……。
その中にも記されていますが、犬にとって飼い主はすべての世界そのもの。
私たちは犬を置いて友人と飲みに行ったり、仕事に出たりしますが、犬にとっては飼い主との生活そのものが生きることに直結しており、私たちが見せてあげる世界以上のものはワンちゃんたちは体験できないわけです。
何時間もひとりでじっと留守番し、たとえ数分のコンビニであっても帰宅したときにはお気に入りのお人形を見せつけながら感激の鳴き声をあげてお出迎えしてくれる。
どんな飼い主であってもそのひとを一番愛している、というゆるぎない愛情がそこにあるわけで。ワンちゃんの無償の愛の深さ、強さをマネできる人間はこの世にどれだけ存在しているでしょうか。