NHK朝ドラ『風、薫る』の癒し枠・上杉柊平に注目! 醸し出される“絶妙なリラックス感”の魅力
上杉柊平のリラックス効果
第8週第38回、宗一が初登場した。弟の槇村太一(林裕太)と立ち寄ったのは、主人公・一ノ瀬りん(見上愛)が上京してから世話になっている瑞穂屋だ。入店するなり、しなやかに脱帽し、ゆるやかに店内を見渡す。落ち着いた動作が心地よい。 人と人が出会い、交流する瑞穂屋も明治には珍しいサードプレイスといえる場所かもしれない。1989年、アメリカの都市社会学者レイ・オルデンバーグが提唱した定義によると、サードプレイスは規範や身分にとらわれず、自由な空間である必要がある(他にも条件が細かい)。 武士の治世から文明が開化し、身分制度が廃止された明治時代でもやはり身分にはとらわれていた。でも本作に登場するいくつかの空間がそうした社会性をゆるやかに解きほぐす。 その一つが瑞穂屋であり、他にも宗一とりんの妹である一ノ瀬安(早坂美海)が縁談の機会を得る団子屋・田之上屋もそうだ。第12週第57回、2人の縁談は破談になりそうになったが、結婚という制度自体にはとらわれない価値観が一致し、心と心がしっかり結ばれた(安は結婚を再度決心する)。 自由な会話を促す田之上屋も立派なサードプレイスである。そこでもやはりメロウな動きで相手を見つめ、周囲を見渡す宗一の仕草が心地よい。 どうやら宗一役の上杉柊平の演技には、視聴者をリラックスさせる効果があるようだ。 <文/加賀谷健>
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