
子ども日傘ブランドkukka hippo(クッカヒッポ)/株式会社 小川
さっそく、同社の子ども日傘を手に取ってみると、傘の裏面がレインコートのようにツルツルとしている。これはポリウレタンコーティングという特殊加工を施しており、遮光率100%・UVカット率99.9%・遮熱率40%以上を実現しているそうだ。
小川の営業部である小川太志さんは、子どもの安全面を担保しているのもポイントだと話す。
「日傘を深くさしても前が見えるよう、一部を透明窓にし、進行方向の視界を確保。傘の骨にはグラスファイバー(ガラス繊維を樹脂で固めた弾力性のある素材)を採用しており、鉄製の骨より軽く、曲がっても折れにくい構造になっています」

骨にはグラスファイバーが使用されている
価格は税込1980円。小川氏によれば、雨傘に比べて500円ほど高いそうだ。この500円をどう見るかはさておき、雨の日も使えて、かつ壊れやすい親骨部分に錆びづらく耐久性の高いグラスファイバーが使われているため長持ちすることを考えれば、そこまで割高にも感じないだろう。
前述の通り、子ども用の日傘は徐々に店頭に並び始めてはいるものの、まだ世間一般的に普及しているとは言いづらいのが現状だ。サントリーの調査では、約8割の保護者が「日傘は子どもの熱中症対策に有効」と答えた一方で、実際に子どもへ持たせている家庭は2割弱にとどまる結果も出ている。
世間的にも、まだ子どもに持たせる発想がなかったり、視界が遮られることなどから安全面での不安を抱えていたり、どこで子ども用の日傘を購入できるかわからなかったりするのが実情だろう。

日傘をさして下校する子どもたち
子ども用の日傘について、保護者はどう思っているのか。今回のこども気温教室を見学していた保護者の男性にも話を聞いた。
「幼稚園から小学校に上がって環境が変わったなか、いろいろと暑さ対策をしないといけないと考えていた。これまでは暑くなったら室内で過ごすよう伝えるか、こまめに飲み物を与えるぐらいしかできていなかったが、どうしても外に出ないといけない機会もある。うちは夏休みでも学童に通わせているので、登下校の際に子ども用の日傘は一つの選択肢になると思う」
その一方で懸念していたのが、日傘を使うことで荷物がかさばることや、置き忘れてしまうといったポイントだ。
「傘といえば雨の日に使うもの」という常識が根付いているからこそ、夏場に日傘をさす習慣をどう定着させるかは、これからの課題とも言えそうだ。
猛暑が当たり前になった今、暑さから身を守る方法は、一つでも多いほうが安心だ。
水分補給を行う、日なたを避ける、帽子をかぶる、日傘をさす……。これまで当たり前ではなかった「日傘」という選択肢も含め、子どもが安全に夏を過ごすために、選択肢を一つでも増やしておくことは大事だろう。
<取材・文/佐藤隼秀>