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「わが子への性教育、何を話せばいい?」専門家の“意外な答え”。「教える」より大切な“親子の習慣”とは<漫画>

親が全部教えなくていい

――性や性加害について子どもに話すことに、難しさを感じている親も多いと思います。 櫻井:親がすべてを担う必要はないと思います。苦手な分野は外部の委託もありです。たとえばNHKでも、性教育に関する質の高いコンテンツがたくさんあります。信頼できる本や動画を一緒に観たり、「読んでみたら?」と渡すだけでも十分です。親が完璧な知識を持っていなくてもいい。子どもと一緒に学ぶことも子どもへの励ましになります。 斉藤:私も、親が「教える」のではなく、「一緒に学ぶ」という姿勢が大事だと思っています。親が何でも知っていて、子どもに教えなければいけないと思うと、どうしても親が教える側、子どもが教わる側という上下の関係になってしまいます。親の失敗体験を話してもいい。わからないことは「教えて」と子どもに聞いてみてもいいんです。子どもたちのほうが、新しいアプリやSNSの使い方をよく知っていることもありますからね。親も一緒に学ぶ姿勢を持つことで、親子のコミュニケーションはずいぶん取りやすくなると思います。 ――とはいえ、仕事や家事に追われるなかで、なかなか子どもと向き合う時間を取れないという親御さんも多いと思います。 櫻井:いつでも子どもの話を正面から受け止めなければいけない、と思わなくていいです。「今は手が離せないから、あとで聞くね」でも大丈夫。ただ、「あなたの話を聞く気はあるよ」という姿勢だけは、伝えておいてほしいです。子どもが求めているのは、完璧な親ではなく、自分の話を親身になって聞いてくれる人です。その存在になれるかどうかが、いざというときに大きく影響してきます。 斉藤:まずは日常の会話からでいいと思います。内容は本当にどんな話でもいいんです。親側の雑談力や聴く力が問われます。そうしたやり取りの積み重ねが、何か問題が起きたときの「話しやすさ」につながっていく。親が伝えたいことも届きやすくなりますし、子どもも相談しやすくなります。気負わなくて大丈夫です。まずは日常のちょっとした時間のなかで、子どもと話す時間を少しずつ増やしてみてください。 ======== 「先回りして教えること」よりも、「日頃から話せる関係をつくること」。お二人が共通して強調したのは、特別な性教育の機会よりも、日常のコミュニケーションの積み重ねの大切さでした。 【斉藤章佳(さいとうあきよし)】 西川口榎本クリニック副院長(精神保健福祉士/社会福祉士) 1979年滋賀県生まれ。大卒後、我が国最大規模といわれる依存症施設である榎本クリニックにソーシャルワーカーとして、25年にわたりアルコール依存症を中心に様々なアディクション臨床に横断的に携わる。その後、2024年10月から現職。専門は加害者臨床で現在まで3500名以上の性犯罪加害者の治療に関わり、その家族支援も含めた包括的な地域トリートメントに関する実践・研究・啓発活動に取り組んでいる。最新刊として『校内盗撮』(集英社インターナショナル)が8月7日に刊行される。 【櫻井裕子(さくらいゆうこ)】 助産師(さくらい助産院開業)   産後ケア、養育支援、看護・助産専門学校非常勤講師を務める傍ら、小中高大学生や保護者に包括的性教育やプレコンセプションケアについての講演を年間150回以上実践。2021年より斉藤氏と共に性犯罪加害者臨床で包括的性教育を行っている。 著書に『10代のための性の世界の歩き方』『性的同意は世界を救う』『10代のための「性と加害」を学ぶ本』共に時事通信出版局。 <取材・文/大夏えい>
大夏えい
ライター、編集者。大手教育会社に入社後、子ども向け教材・雑誌の編集に携わる。独立後は子ども向け雑誌から大人向けコンテンツまで、幅広く制作中。
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