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「好きという思い」だけではどうにもならない現実…宇垣美里が心を揺さぶられた、10年越しの“元恋人との答え合わせ”

 元TBSアナウンサーの宇垣美里さん。大のアニメ好きで知られていますが、映画愛が深い一面も。
宇垣美里さん 撮影/中村和孝

撮影/中村和孝

 そんな宇垣さんが映画『サヨナラの引力』についての思いを綴ります。
『サヨナラの引力』

『サヨナラの引力』

●作品あらすじ:2008年の夏、ソウル。ゲーム作家を夢見る大学生ウノと、建築家を目指すジョンウォンは長距離バスで運命的に出会い、互いの夢を支えながら恋に落ちる。しかし、現実の厳しさに引き裂かれ、別れを選ぶ。それから10年後、二人は偶然、飛行機の中で再会。青春時代の思い出をたどりながら、「もしもあの時、別の選択をしていたら」という胸の奥にしまっていた想いと向き合っていく……。  切ない再会を通して、愛と人生の選択を描く大人のラブストーリーを宇垣さんはどのように見たのでしょうか?(以下、宇垣美里さんの寄稿です)

ありえたかもしれない将来へ報いる唯一の方法

『サヨナラの引力』

『サヨナラの引力』より(以下同)

 人生は選択の連続だ。今の自分に辿り着くまでに、多くを捨てて、諦めて、飛び出して。私の足元には、選ばなかった未来の屍が山積み。だから、その骸(むくろ)たちへのせめてもの餞(はなむけ)に、今の自分は幸せなのだと、声を大にして宣言する必要がある。  選択を正解にし続けることでしか、ありえたかもしれない将来へ報いることはできない。それでも、時々あの頃を振り返って、そのあまりの美しさに泣きそうになることがある。

好きという思いだけではどうにもならない現実

『サヨナラの引力』 ソウル行きの飛行機の中で偶然再会したウノとジョンウォン。台風の影響で欠航となり、唯一とれたホテルの一室でふたりが対面し、話はじめたのは、10年前の夏、長距離バスの中で運命的に出会い、ソウルでの日々を支え合った大学生時代の記憶だった。  モノクロで描かれた現在に対し、過去の描写の色の溢れた様といったら。過ぎ去った青春時代がキラキラと鮮やかで、若く未熟でありながらも、たしかにあの時本当に相手を大切に思っていたことが、互いの理解者であり居場所であったことが、ひしひしと伝わってくるからこそ切なさが増す。  生活は時に何よりも残酷で、好きという思いだけではどうにもならない現実があることを、年を重ねた者は皆知っているから。
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自分の過去と重ね、思わず感傷的に…
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