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40歳元TBSアナ、北海道在住の私が「持ち家より賃貸」に傾く背景。持ち家に感じる“縛られる怖さ”

家は安心を与えてくれると同時に、人生を固定してしまう

愛犬リリーと

愛犬リリーと私

 私はこれまで何度も、ものの手放しや大々的な整理整頓をしてきました。  東京から北海道へ戻るときも、たくさんの物や事柄を手放したっけ。仕事柄、過去には数々の現場を体験してきたことも相まって、「物は自分を豊かにする一方で、時には自分を縛るものにもなる」と考えるようになったのもたしか。  生きる場所の選択は、人生においてもっとも重要な選択の一つともいえます。実際、私は20年間暮らした東京を離れ、北海道へ戻る決断をし今に至りますが、あのとき、さまざまな「モノや事柄」を手放したからこそ現在の生活があります。  モノや場所に縛られていたら、このような選択はできなかったわけで。だからこそ、「家をもつ」ということには恐怖すら感じてしまうのかも。  家は安心を与えてくれると同時に、その場所に人生を固定してしまう力も持っています。  映画『隣人たち』でも、もしあの家族が悲劇のあと、家を手放して別の土地へ移っていたら、そしてそれをすぐに決断できていたら……結末は変わっていたかもしれません。ネタバレをしたくないのでこれ以上は言いませんが。

自由を失いたくないから、賃貸にお金を払う

 もちろん、それだけですべてが解決する話ではないですがそれでも、「その場所に住み続ける」という選択が、人生を大きく左右することだけは確か。  しかも、家を選ぶということは、建物を選ぶことではなく、隣人を選ぶことでもあります。  今はすばらしく良い人でも、数年後には引っ越してしまうかもしれない。逆に、新しく越してきた人との相性が最悪かもしれない。目の前の空き地に急に巨大マンションが建つこともある。  環境は、自分ではどうにもできないですよね。だから私は今も、賃貸にお金を払うことを「自由を買っている」と考えるようにしています。  嫌なら引っ越せる。仕事が変われば住む場所も変えられる。諸々やり直したくなったとき、身軽でいられる。  もちろん年齢を重ねれば、賃貸住宅を借りにくくなるという現実もあるので、だからこの問題に正解はないのですよね。  持ち家にも賃貸にも、それぞれの安心と不安がある。ただ、『隣人たち』を観終わった私は、やっぱり「自由を失いたくない」という気持ちが少し強くなったかも。  さあ、みなさんはどっち? 賃貸派? 持ち家派? <文/アンヌ遙香>
アンヌ遙香
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne
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【公開情報】
『隣人たち』
7月24日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
監督・撮影監督:ブノワ・ドゥローム 脚本:サラ・コンラット
出演:ジェシカ・チャステイン、アン・ハサウェイ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー、ジョシュ・チャールズ
原作:オリヴィエ・マッセ=ドゥパス『母親たち』2024年|アメリカ・ベルギー・フランス・イギリス|英語|カラー|シネスコ| 5.1ch | 94分|字幕翻訳:中沢志乃
提供:カルチュア・エンタテインメント 配給:ギャガ © 2023 MINSTINCT INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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