谷原章介を父に持つ谷原七音。デビュー1年で見せた「的確な役柄選び」という絶妙な売り出し方
イメチェン金髪を経た黒髪
輝役の谷原は軽やかなステップを踏むように、フレームインとフレームアウトを繰り返していた。第1話、初登場するアトリエ場面ではさっそくフレームアウトした後、輝の雇い主である画家の空知未来(高橋メアリージュン)に話しかける。それが第一声「あのう……」だ。しかも同じ台詞が反復される。 すると面白いことに、高橋との再共演ドラマ『エミリとマリア』(毎日放送、2026年、この作品は高橋と『奪い愛、真夏』のヒロイン役である松本まりかW主演作である)でも、カメラが引いたタイミングで画面下手から谷原演じる運命の男がスッとフレームイン。 第一声がやっぱり「あのう……」なのである。谷原にとって「あのう……」と同じ共演者は、ある種のセット販売なのだ。それだけ打ち出し方(出演作を選定する事務所の手腕)が明確であるということだろう。 他作品でも、動物行動学をテーマにした恋愛ドラマ『パンダより恋が苦手な私たち』(日本テレビ系、2026年)第7話ではゲイの青年役を演じ、実に叙情的な演技だった。 あるいは、警視庁の広報課を題材にした刑事ドラマ『東京P.D.警視庁広報2係』(フジテレビ系、2026年)では、ピントがきていない画面上でさえ、(事務所の先輩である福士蒼汰とともに)場面の緊張感を持続させていた。いずれの作品でも顔見せは明確で的確な演技がどの役柄にも自然と馴染む。 2026年6月22日発売の『JUNON』誌では人生初の金髪カットを披露し、次作までの合間にこうしたイメチェンをほんの息抜きのように見せてくれるのもいい。金髪からまたすぐに黒髪に戻すというが、イメチェン金髪を経た黒髪の谷原七音は、さらに演技の幅が広がるだろう。 <文/加賀谷健>
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