最後は、おでこの比率がやや大きめのCさんです。おでこが狭い私からすると、Cさんの広く丸いおでこはむしろ羨ましいくらいなのですが、ご本人にとっては気になるポイントのひとつ。とはいえ、せっかくのキレイなおでこを前髪で丸ごと隠してしまうのはモッタイナイ。そこで、おでこのサイド部分だけを髪で少し隠しました。

すると、実際のおでこの大きさは何も変わっていないのに、見えている部分の形が変わることで、顔全体が卵形の輪郭に近づいて見えます。
さらにこのケースでは、ヘアスタイルだけでなくメイクも組み合わせています。おでこの生え際に薄くシェーディングを入れ、眉は上側へほんの少し足して描きます。すると目の錯覚によって、おでこの面積が実際より小さく感じられるようになります。このように、髪だけですべてを解決しようとせず、ヘアとメイクを組み合わせて補正するのもおすすめです。
メイクの撮影現場でも、ビフォーアフターを見た編集さんなどから、「メイクでも変わっていますけど、ヘアスタイルの効果ってすごいんですね!」と言われることがよくあります。実際、輪郭に関してはメイクだけでできることには限界があります。シェーディングで影を作ることはできますが、顔の外側のシルエットそのものを大きく変えることはできません。そこで力を発揮するのがヘアスタイルです。顔の周囲にある髪まで含めてひとつの「形」として考えると、縦長にも横長にも見せることができますし、左右差やおでこの広さなども自然にカバーできます。
そして何より知っておいてほしいのは、似合う髪型を見つけるために、流行のヘアスタイルを片っ端から試す必要はないということ。まずは鏡を見て、「私は顔のどこを気にしているんだろう?」と考えてみてください。縦の長さなのか、横幅なのか、左右差なのか、おでこの広さなのか。それがわかれば、次に考えるのは「そこを強調したいのか、それとも補正したいのか」です。
もし補正したいのであれば、気になる方向と反対の方向を強調するのがひとつの基本。面長なら横へ、丸顔なら縦へ。そうやって「似合う」を分解していくと、これまで感覚的だったヘアスタイル選びにも、ちゃんと理由が見えてきます。顔そのものを変えなくても、見え方は変えられます。
ぜひ次に美容室へ行くときは、「なんとなく似合う髪型」ではなく、自分の顔の特徴をどう見せたいのかまで考えて、ヘアスタイルを選んでみてくださいね。
<文/池田曜央子>
池田曜央子
(いけだ・ようこ)メイク講師。骨格補正メイク考案。一般社団法人
日本骨格バランス協会代表理事。
1977年生まれ、青山学院大学経済学部卒業。建築士だった38歳のころ、愛犬の事故死でうつ状態に陥り、糖質依存となり15kgの激太り。外見差別を受けたことをきっかけに、美容・ファッションなどを学び、メイク講師として活動を開始。輪郭と顔パーツを数値で分析、骨格や年齢による変化を補正し、好印象な美人に近づける独自の「骨格補正メイク」を考案。メイク講座やスキンケア講座などで1000名を超える女性を変身させる。43歳で-17kgのダイエットも成功させ、ミセスコンテストで特別賞受賞。著書『
骨格補正メイク 顔の比率を描き変えて、一生美人!』(主婦の友社) Instagram:
@ikeda.makeup ブログ