朝ドラ『風、薫る』で話題の甲斐翔真。たすき掛けで料理する“手元の美しい所作”に宿るミュージカル俳優の真価
見上愛と上坂樹里W主演の連続テレビ小説『風、薫る』(NHK)第22週109回(2026年8月27日放送回)で、日清戦争に出征した陸軍人・小川吾郎が戦死した。
ネット上では、吾郎ロスが起こっている。8月29日放送の『土スタ』には、吾郎役の甲斐翔真が出演し、ドラマ内で吾郎が歌っていた有名唱歌を生披露した。
ミュージカル俳優である甲斐翔真が、小川吾郎役を演じる意義とは? “イケメン研究家”加賀谷健が解説する。
味噌汁を作る吾郎は、手元が本当に美しい。丁寧に切った具材を優しく包み込むように左手を添える。
たすき掛けとは、着物の袖が邪魔にならないよう、肩から脇で固定することだが、吾郎の場合はあたかも美しい手元を強調するための工夫であるかのように見える。
第106回終盤では、今度は逆側の腕が一際華やぐ。直美が妊娠したことを報告すると、嬉しそうな吾郎がお腹を触っていいかと聞く。
彼がゆっくり恐る恐る手をのばす。直美がさっと吾郎の手に手を重ねて、引き寄せてやる。その瞬間、吾郎の袖からのびる右腕……。
まず自分で右手をのばし、それを相手が引っ張ってくれるという、段階を踏んだのばし方が素晴らしい。その上でさすが、ミュージカル界のスター俳優だなと思わせる、甲斐翔真の完璧な動作が魅了する。
料理担当は軍人の夫!
『風、薫る』の主人公・小川直美(上坂樹里)は、とにかく家事が苦手だ。特に料理は全然ダメで、下手な味付けは看護婦養成所時代から評判が悪かった。結婚してからは、もっぱら料理は陸軍二等軍曹の夫・小川吾郎(甲斐翔真)が担当している。 第21週第101回、直美が帰宅すると、たすき掛けした吾郎が料理をしていた。あまり切れ味がよくはなさそうな包丁で、菜っ葉をざくざく。まな板を見つめる眼差しは温かい。 明治時代、それも政府軍の軍人である夫が夕飯を作っているだなんて、なんて貴重な光景なのだろう! 第22週第106回で、日清戦争の大本営が置かれた広島の陸軍予備病院では、主人公たちと同期の看護婦・玉田多江(生田絵梨花)が、横柄な軍人から「女のくせに」と怒鳴られていた。 それに対して、軍で炊事担当だった吾郎(彼も最初は頑固だったが)は、慣れた手つきで調理を進め、直美からは「軍人だからって、台所に立ってくれる旦那さんは、吾郎さんくらいか」と言われる。
袖からのびる右腕が美しい……
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