朝ドラ『風、薫る』で話題の甲斐翔真。たすき掛けで料理する“手元の美しい所作”に宿るミュージカル俳優の真価
ミュージカル俳優である甲斐翔真が吾郎を演じる意義とは?
当然のことながら、ミュージカル公演には舞台と客席があり、舞台から遠い席からは(肉眼では)俳優の細かな表情の変化が見えづらい。そこで舞台俳優は基本的に映像上での演技よりも大きな身振りをする。 俳優が雄大にのばす腕とそのポーズは、舞台と客席の垣根をダイナミックに越える。 逆に映像では俳優の表情や動作がはっきり見える。吾郎が腕をのばす場面では、彼の右腕をアップで写すためにカットが切り替わっていた。甲斐翔真の美しい右腕を大写しで見られる、このぜいたく! 甲斐がゲスト出演した『土スタ』(NHK、2026年8月29日放送回)後半では、得意の歌唱ナンバーである「また逢う日まで」を披露し、サビのフレーズ「ふたりで名前消して」で右手を控えめに動かすハンドムーブが、もう本当に素敵すぎて……。 また『土スタ』では、第109回で吾郎が戦死したことによる吾郎ロスを受け、味噌汁を作る彼が口ずさんでいた「埴生の宿」をスタジオでも歌ってほしいという視聴者リクエストがあった。 「埴生の宿」は、外国語曲に日本的な歌詞をつけた翻訳唱歌の代表曲だ。吾郎役には明治という激動の時代性が音楽面で反映されており、甲斐にとっても演技と音楽を結びつける役柄だ。 小川吾郎役は、ミュージカル俳優である甲斐翔真が演じる意義があった。 <文/加賀谷健>
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