「相手は、私が24歳頃に数カ月だけ付き合っていた、元カレAと交際中の女性Bでした。私はBとは全く面識がありません。
はじめから少し思い当たることがありました。なりすましアカウントが作られる前の年に、知らない女性からSNSで、『私はA君と1年前から付き合っています。噂で聞いたんですけど、平尾さんもA君と付き合っているんですか?』と連絡があったのです。
付き合っていたのは10年以上昔のことで、別れてただの友達だと説明しています。
たしか、その女性が福岡の方に住んでいました」

偽アカウントを作られた2021年当時の平尾さん
発信者が特定されても、その本人が投稿したことを証明する必要があります。弁護士を通じてマッチングアプリ会社や通信会社と交渉を行い、2つのアカウントは、B名義の携帯電話と、Bの親族名義の携帯電話だということも分かりました。
なお現在は、法律が改正され、開示請求はもう少し短い時間で可能になっています。
提訴の前、元カレAに連絡したところ、すぐに平尾さんの元にやってきました。
「Aが言うには、Bは以前から『曜子さんを攻撃する』という趣旨の発言をしていて、それを止めなかった自分にも責任があるから示談にして欲しいとお願いされました」
ところが、Bは予想外のことを言い出したのです。
「“示談なんかしたら、曜子さんがお金儲けするだけだから示談しない。そっちが謝罪するなら許してあげてもいいけれど。こっちも弁護士は付けてるし、とっとと訴状を送ってこい”、と。Aからそう知らされました」
示談交渉は決裂し、訴訟にもつれ込みます。示談決裂を境に心身の状態が急激に悪化し、その後うつ病などと診断されました。
見知らぬ男性達から性的対象として見られた恐怖から、「すべての男性が怖くなってしまい、支えてくれた婚約者ともお別れすることになってしまいました」。
平尾さんの体重は3カ月で20キロ落ち、自死を図ったこともありました。

体重が激減し、ガリガリの平尾さん(2023年)