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ヤフオクで洗面台が1万円で買えちゃった!【シングルマザー、家を買う/13章】

<シングルマザー、家を買う/13章>

バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。


(前号までのお話)
紹介してもらった自営の大工と設計士に家を見てもらい、リフォームの際にはキッチンやお風呂など、全て新調しなくてはならないと判明。予算オーバーで涙目になっていたら、設計士に「ヤフオク!」を勧められた。

オークションという名のギャンブル



 もともと、ギャンブルには手を出さないと決めている。

 基本的に、我が家では確実なもの以外、手を出すなという堅実すぎる教えを小さな頃からされているのだ。将来の夢を聞かれても、まずは「手に職を」を標語のように言われていた。

 その甲斐あって、私はフリーライター、弟は大手企業のエンジニアという専門職に就いている。フリーライターが確実なのかは疑問だが、書き物で毎年同じような年収がもらえている今の状況を、親としては満足しているらしい。

 基本的に、石橋は叩いて叩いて、叩き割れという家なのだ。だからこそ、パチンコはもちろん、競馬にも手を出さない。不幸すぎた離婚直前に運試しで宝くじを買ってみたが全部外れたことも原因となって、何があってもやらないぞと心に決めていたのだ。

 しかし、ここでオークションに手を出さなくてはいけない状況に陥ってしまった。

 オークションはギャンブルではないが、実物を競り落とすだけでなく、競争相手がいたら負けたくないからこそ、どんどんお金をつぎ込んでしまうのが目に見えている。これは私にとっては十分に賭けであり、ギャンブルである。

 そこに今から足を踏み入れなくてはいけない状況に陥り、恐怖で震えていた。私は熱くなると、異常な負けず嫌いから歯止めが効かなくなる性格なのだ。ギャンブルはしないとしても、自分の中で唯一許しているUFOキャッチャーにいくらつぎ込んだことか!

 若い頃に欲しくもない牛肉のぬいぐるみに3千円ほどつぎ込んで取れなかったことを、いまだに後悔している。一体なんだ、牛肉のぬいぐるみって。かわいくもなんともない。どの角度から見てもかわいくない!(実際に手に入れていないからわからないけど)

牛肉のぬいぐるみ でも、人間の心理とは不思議なもので、取れないとなると白熱してしまうのだ。これは“追いかけられると逃げたくなる、背を向けられると不安になる”という古内東子現象(『誰より好きなのに』から)。きっと、この心理をわかってくれる人は多いことだろう。

謎の“購入失敗品”



 そして、勝負の日は訪れた。

 ヤフオクのページで「システムキッチン」で検索すると、なんと1000件以上のヒットがあるではないか! これにはさすがに驚いた。さすがヤフオク、本当に何でも売っている。

 ひとしきり出品されている商品を覗いた後、とりあえず本丸であるシステムキッチンを手に入れる前に、最初に洗面台で肩馴らしをしようと考えた私は、同じ要領で洗面台を検索した。するとこちらは意外と少なく、200件前後の商品がズラリと並んでいる。

 ここで、私が洗面台に求める条件は、

・安価であること。できれば5万円を切りたい。

・IKEAで洗面台用の鏡は購入していたので、洗面台とその下の収納が一緒になったものが欲しい。

 この2つだけである。よし、挑戦してみよう。

 ほとんどがリサイクルショップからの出品だったり、新品のネット販売によるものなので、写真はとてもきれいで選びやすい。洗面台の画像を見ていると、鏡がセットになっているものが多く目についた。それも、オシャレなものほど、セットのものが多いのだ。むむむ。とはいえ、値段は1000円から10万円など、本当にふり幅が大きい。

 そこで値段を上限5万円に検索をかけなおすと、グッと検索結果も少なくなり、かなり選びやすくなった。そのなかでひとつだけ、あきらかに素人が撮ったであろう薄暗い写真が目に入った。

 その洗面台のタイトルには“購入失敗品”と書いてある。明らかにネガティブなタイトルである。素人が撮影した写真にこのタイトル……。数あるオークションの中から選び抜かれるのは絶対的に不利な気がしてならない。しかし、これは見過ごせない。一体何が失敗なのか。

⇒【後編】「ヤフオクでは“購入失敗品”を狙え!」に続く http://joshi-spa.jp/220807

<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>

⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。現在は西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽雑誌やファッション雑誌、育児雑誌や健康雑誌などの執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky

シングルマザー、家を買う

年収200万円、バツイチ、子供に発達障がい……でも、マイホームは買える!

シングルマザーが「かわいそう」って、誰が決めた? 逆境にいるすべての人に読んでもらいたい、笑って泣けて、元気になる自伝的エッセイ。

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