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専業主婦より企業役員を目指すほうがカンタン!?

ダイバーシティ, ワーク・ライフ・バランス, 悩めるオンナたち, 職場 文部科学省と厚生労働省の調査によると、今年の大学卒業予定者の就職内定率は女性が82.0%と、初めて男性(81.3%)を上回ったそうです(2013年2月1日時点)。  また、『マイナビウーマン』が行った「女性の働き方に関する調査」では、76.7%の女性が「結婚後も仕事を続けたい」と回答、出産後についても、63.4%が「出産後も仕事を続けたい」と答えています。  自民党が参院選政権公約に掲げる「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上」のリアリティはおいておくとして、女性の“働く意欲”が高まっているのは事実。  そんな中、「女性役員を目指す大学生のためのセミナーが開催される」との情報を入手しました。『女性幹部を目指す大学生のための本気塾』と名付けられたこのセミナー、経営コンサルタントで「世田谷ビジネス塾」を主催する古川裕倫氏と、大学生向けのキャリア教育を行う「gusiness」、女性のキャリアアップ支援を行う「Woomax」が協同で企画。  クラスは3か月全6回(1回3時間)で、毎回、社会や企業組織についての講義とともに、「一生働く意味を考える、志の重要性」「人生設計とキャリアデザイン」「アサーティブな人材になるために」などテーマ毎に課題図書が設定され、その意見交換を通じて自己啓発を図るというもの。  また、女性役員を目指す彼女たちにとっては、ロールモデルとなる、現役で活躍する上場企業の女性役員と交流も予定されているといいます。 「どんだけ意識高い系が集まってるのか?」と思いつつ、7月某日、会場となった会議室を訪れたわけですがが……集まった10人は、なんていうか、いたって普通のかわいらしいお嬢さんたち。明らかに部外者のお局記者にも「こんばんは」と笑顔を見せてくれる。
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10名の女子大生に講義をする古川氏。この本気塾、9月からの第2期生を現在募集中

 自己紹介が始まれば、多少、戸惑いを見せるのもご愛嬌。皆、大学でのゼミのこと、趣味の話、この塾に期待することなど自分の言葉で語っていく。 「20年前、こんなちゃんとしてなかった」と我が身を恥じるばかり。  この「本気塾」をスタートさせた理由について、古川裕倫氏はこう話します。 「労働人口の減少で、ダイバーシティ(多様性)の重要性が声高に言われますが、企業にしてみたら社長より年上のシニア層は使いにくいし、外国人労働者はビザの発行といった制度面での壁があれば心情的な誤解も多く、門戸が開かれるのは時間がかかる。そこで、期待されるのが女性の力なわけです。  とはいえ、女性の積極登用について企業側はどうかと言えば、“総論賛成・各論風まかせ”というのが現状です。一方で、女性側の問題もあります。  例えば、私は中間管理職を対象とした講演で、『まったくの新規案件が部長から振られたとき、その案件は男性の部下、女性の部下どちらに振りますか?』という質問をすると、99%が『男性社員に振る』と答えます。  なぜか? 男性社員は愚直に『はい』と仕事に取り掛かるのに対し、女性社員の場合、その仕事の段取りや意義・意味について、あるいは『なぜ、私なのか?』といった質問をしてくる人が少なくないからです。課長にしてみたら、『なんか言われたら面倒だから、まあ男性社員にやらせるか』となるわけです。  ひとつひとつは小さな仕事でも、2~3年も経つと積み上がった経験値に大きな差がでる。  企業制度、管理職の意識が変わることも必要ですが、女性側も志を持って、結婚や出産といった人生のイベントを楽しみながら、一生働く覚悟を持ってもらいたい。その志を持つのは早ければ早いほどいい。それが今回の『本気塾』スタートの理由です」

ダンナ付専業主婦になれる人は10人中たった2人!

 そして聞き逃せないことが、もうひとつ。古川氏によると、専業主婦を目指すより、企業の取締役を目指すほうが確率が高い!? のだとか。 「30~34歳の未婚率は34.5%。30代前半女性の3分の1は未婚で、3人に1人が離婚をする時代です。また、国勢調査を見れば、専業主婦世帯は16.1%、共働き世帯は21.1%。  つまり、ダンナ付専業主婦になれる人は10人のうちたった2人で、かつ、ダンナと死別する可能性だってある。今はまだ日本の女性管理職の割合は10%以下ですが、先にお話ししたように労働市場は、女性に期待せざるを得ない状況にあり、女性活躍推進は進むはず。むしろ今ドキ、専業主婦を志向するのは、宝くじが当たるのを期待するようなものですよ」  2012年10月に発表されたIMFのレポートによると、他の先進国並みに日本女性が働くと、一人当たりGDPが4%上昇するという。日本経済復活のためにも、若いお嬢さんたちには頑張ってもらいたい! 白馬の王子様に見向きもされなかった四十路記者は思ったのでした。 <取材・文/小山武蔵 Image by (C)Christoph Wilhelm/zefa/Corbis from Flickr> ●女性幹部を目指す大学生のための本気塾
http://www.taku-an.co.jp/honkijuku-women.html ●古川ひろのりの公式ウェブサイト http://www.taku-an.co.jp/ 【古川裕倫氏】 1954年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、三井物産に入社。23年間の勤務の間、ロサンゼルス、ニューヨークで10年間の海外勤務を経験。2000年にホリプロ社外取締役執行役員を経て、現在、(株)多久案代表、世田谷ビジネス塾塾長。日本駐車場開発などの社外取締役を務める。人材育成・キャリア論に詳しく、著書に『他社から引き抜かれる社員になれ』(ファーストプレス)、『女性が職場で損する理由』『一生働く覚悟を決めた女性たちへ』(ともに扶桑社新書)、『コーチング以前の上司の常識「教え方」の教科書』(すばる舎)、『女性を活用できる上司になる』(扶桑社)など多数
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