人生で起きているすべてを疑ってみる――元アイドルの哲学ナビゲーターに聞く、生きづらいアラサーを救う言葉【後編】

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――たしかに、しっかり考えて自分軸を確立していきたいものです。また、この年齢になると、非常に相手の男性に対して分析的になってしまうというか、すぐ「アウト判定」してしまうところもどうかと思っています……。

原田:よくわかります。選民意識が強い人特有の悩みですよね。おそらく人と接していて、心の中で「この人はこうだな」って矛盾に気付いてしまう能力に長けているんです。寂しくて人のことを好きになりたい自分もいるけど、客観的に見てしまう自分が勝ってしまう。友達に話してネタにしたいという、自分が潜んでいる(笑)。なので、本気で夢中になって人に近づくことの怖さがあるんですね。

たとえばSNSなんかを見ていて、意識が高い投稿を見ると、軽蔑してしまう反面うらやましいと思う。周りの意見も気に留めず好きなことをしている人がうらやましいんです。でも、冷静で周りの空気を読んでしまうから、自分の欲をひた隠しにできてしまうんです。これって自分を確立している人の特徴でもありますよね。

私の体を鞭打つ言葉――自分の幸せを第一に考えたいときはどうすればいいんでしょうか?

原田:ある程度、人に合わせないとか周囲に鈍感でいないと自分の望みって叶えられないと思うんです。もっと欲深くなってみるのも、ひとつのきっかけになると思います。自分は本心ではなにを求めているのか、そういった欲はもっと出していい。周りから見ると、みっともないこともあるけど、「こうしたい」って欲をもっと子供が発するように出してみる訓練をしてみるのもいいと思います。

――現状で欲を出すってなかなか難しいですね。たとえば、それこそ「結婚相手になりうる恋人が欲しい」とかですよね。

原田:そうですね。でも、もっと広いテーマでもいいと思うんです。抽象的な。前向きに「寂しい」じゃなくて「寂しいからぬくもりがほしい」とか、そのために何が大事か、とか、おおまかなことでいいんです。そこを決めたら道筋ができてくる。そこで、自分のいまある環境のなかでできることが見えてきますよね。

――なるほど。路頭に迷うアラサー世代だからこそ、まずは自分がどんな価値観があって、どんな欲があるって向き合ってみるって大事ですね。

原田:アラサー世代こそ、改めて自己分析や適正検査をやってみてほしいと思いますよ! 自分はどういう人間か、こういった高慢さもあるんだって客観的視点を持つことで、自分を騙すことなく受け入れることができますから! それによって生きづらさは軽減されると思います。

――最後に、原田さんにとって、哲学とはどんな存在であると思いますか?

原田:哲学は、人生で起こっているすべてを懐疑する学問です。社会で言われている幸せに疑問を持つことから始めてみていただきたいと思います。私がオススメする哲学書は、入門書としてもピッタリです。ぜひ気軽に読んで自身と向き合ってみてください。

■原田さんオススメのアラサー向け哲学書
『自己信頼』(ラルフ・ウォルドー・エマソン)
『愛するということ』(エーリッヒ・フロム)
『生の短さについて』(ルキウス・アンナセウス・セネカ)

【原田まりる】
85年生まれ。京都市出身。作家・哲学書ナビゲーター。高校時代より哲学書からさまざまな学びを得てきた。著書は、『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)。元レースクイーン。男装ユニット「風男塾」の元メンバー。哲学、漫画、性格類型論(エニアグラム)についての執筆・講演を行う。ホームページ(https://haradamariru.amebaownd.com/

<TEXT/女子SPA!編集部>
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