彼の浮気を封じ込めた、女のトンデモ行動とは?「相手の自宅も把握してます」
いつもと何一つ変わらないはずなのに、なんだか怪しい……。
女の第六感というものなのか。彼や夫の醸し出す雰囲気から浮気のにおいを嗅ぎ取ったとき、その真意を探りたくなるのは自然な心理。とはいえ、嫉妬に怒り狂ったとき、女は思いもよらない行動に出てしまうことがあるようです。
交際2年、同棲1年半の彼を持つナミさん(仮名/30歳)が彼の浮気に気づいたのは、一緒にテレビを観ていた最中の何気ない会話だったといいます。
「毎週一緒に観ていたバラエティ番組があったんですが、彼が仕事の飲み会で帰りが遅く、ひとりで観た夜があったんです。気づいた日の2週間くらい前のこと。彼が行ったはずの居酒屋にテレビはないので、彼は観られなかったはず。それなのに、その回の内容を知っていたんですよ」
ナミさんはふだん夕飯の片付けなどをしながら観ているそうですが、その日はひとりでじっくり観られたので内容をよく覚えていたといいます。
観られなかったはずのテレビ番組の内容を知っている……。それはつまり、どこかの家で観ていたということ。ナミさんの心には、彼に対する不信感がみるみるうちに広がっていったそうです。
「通常なら、そこで聞いたり問い詰めたりするのでしょうが、私はあえてスルーしました。彼を信じていたい気持ちもありましたが、それよりも『確固たる証拠を集めなきゃ』という思いのほうが先に立ちました」
その日から、ナミさんは彼の浮気の証拠集めに走ります。まずは彼の携帯の位置情報をオン。毎日会社を出てすぐ送られる帰宅連絡の時間と内容をメモし、実際に帰宅した時間もチェック。連絡が来てから家につくまでの時間も毎日記録しました。また、携帯の位置情報を確認し、どこから連絡してきたのかも確認したといいます。
「浮気相手とのやりとりはすべて消去しているだろうから、携帯を見ても意味がないと思ったんです。だから、彼自身の行動を確認しようと思って。そこから彼の行動パターンが見えてきたし、浮気相手のだいたいの家の場所も把握できました」
疑惑が確信に変わったナミさんは、彼が浮気相手と会う曜日に休みを取り、カメラを提げて仕事帰りの彼を尾行。浮気相手の部屋の窓が見える位置からシルエットの確認もしていたというから、探偵も顔負けです。
思いがけず判明してしまった彼の浮気。彼からの熱烈なアプローチで交際をスタートし、スキンシップや愛情表現を怠らない彼の態度に愛されている実感も強かったナミさんにとって、浮気は何よりもありえないと思っていた出来事だったといいます。
「許せなかった。そろそろ結婚の話も出はじめていたころだったので、裏切られたという気持ちでいっぱいになりました。理由とか、遊びか本気かとか、そんなことはもうどうでもよくて、とにかく彼の気持ちを取り戻したい一心でした」
次の日から、ナミさんの尾行対象はなぜか浮気相手の女性に代わります。仕事は夕方までに帰れるシフトに変更してもらい、浮気相手の女性が会社から出る時間までに待ち伏せて尾行する日々。
彼女が飲みに行けば近くの席で会話に聞き耳を立て、ショッピングに立ち寄れば彼女の購入した商品を記録。彼には仕事で遅くなると告げ、およそ3週間尾行し続けたそうです。
「彼女の話し方、話題に出やすい内容、洋服の趣味から手の動かし方ひとつまで、彼女のすべてを完璧に真似できるように瞬きする間も惜しんで見続けました」
そしてナミさん自身が納得した日、髪型、服装、メイクなどの見た目はもちろん、話し方や動きのクセまで完全に浮気相手になりきって、彼の帰宅を迎えたというのです。
「かなり驚いていましたね(笑)。でも、私は彼女を知らないはずでしょ? だから、装いきれないのに必死に冷静なフリをして、バレているのか、何が起きたのか、遠まわしに一生懸命聞き出そうとしていました」
その日は浮気相手を真似た態度で一日を過ごし、翌日すべての真実を証拠とともに彼に突きつけたナミさん。彼はその場で浮気相手に電話を掛け、関係を終わらせてくれたそうです。
「今思えば彼に対するあてつけのようですが、その時は『あの子の何が彼を虜にしたのか』を知りたいだけでした。尾行して彼女を知るうちに、『私があの子みたいになれば、浮気の必要性がなくなるんじゃないか』とか思うようになって、なりきることを思いついたんです」
ナミさんの本心はどうあれ、すべてを知られていながら泳がされた末、突然とんでもない形で証拠を突きつけられた彼にとっては、かなりキツいお灸になったようすでした。
<TEXT/千葉こころ PHOTO/Viorel Sima>
何気ない会話から漂う浮気の気配
「毎週一緒に観ていたバラエティ番組があったんですが、彼が仕事の飲み会で帰りが遅く、ひとりで観た夜があったんです。気づいた日の2週間くらい前のこと。彼が行ったはずの居酒屋にテレビはないので、彼は観られなかったはず。それなのに、その回の内容を知っていたんですよ」
ナミさんはふだん夕飯の片付けなどをしながら観ているそうですが、その日はひとりでじっくり観られたので内容をよく覚えていたといいます。
観られなかったはずのテレビ番組の内容を知っている……。それはつまり、どこかの家で観ていたということ。ナミさんの心には、彼に対する不信感がみるみるうちに広がっていったそうです。
「通常なら、そこで聞いたり問い詰めたりするのでしょうが、私はあえてスルーしました。彼を信じていたい気持ちもありましたが、それよりも『確固たる証拠を集めなきゃ』という思いのほうが先に立ちました」
その日から、ナミさんは彼の浮気の証拠集めに走ります。まずは彼の携帯の位置情報をオン。毎日会社を出てすぐ送られる帰宅連絡の時間と内容をメモし、実際に帰宅した時間もチェック。連絡が来てから家につくまでの時間も毎日記録しました。また、携帯の位置情報を確認し、どこから連絡してきたのかも確認したといいます。
「浮気相手とのやりとりはすべて消去しているだろうから、携帯を見ても意味がないと思ったんです。だから、彼自身の行動を確認しようと思って。そこから彼の行動パターンが見えてきたし、浮気相手のだいたいの家の場所も把握できました」
疑惑が確信に変わったナミさんは、彼が浮気相手と会う曜日に休みを取り、カメラを提げて仕事帰りの彼を尾行。浮気相手の部屋の窓が見える位置からシルエットの確認もしていたというから、探偵も顔負けです。
彼を虜にした理由が知りたい
千葉こころ
自由とビールとMr.Childrenをこよなく愛するアラフィフライター&編集者。
人生後半戦も夢だけは大きく徒然滑走中


