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彼氏がストーカーに…嫉妬男のゾッとする愛情

 愛しすぎた故なのか、憎悪に変わった末なのか。一度は愛し合った恋人同士に別れが訪れたとき、どちらかに未練があると、話し合いはスムーズにいかないもの。一方の思いが強すぎて、その愛情が歪んだものになってしまったら……。  ストーカーに豹変した元カレとの恐怖体験を、ミサコさん(仮名/26歳)が語ってくれました。

執拗な電話に待ち伏せ……「別れたくない」元カレの奇行

 ミサコさんと元カレAさん(23歳)との付き合いは1年半足らず。お互いの友人も交えて遊びに行くなど、オープンな関係でした。ヤキモチ焼きで少し束縛気味のAさんでしたが、年上のミサコさんからすればかわいく思える程度。すねさせないように気をつけるくらいで、特に問題なく付き合いが続いていたそうです。  そんなある日、よく遊ぶ仲間のひとりでAさんの友人でもあるBさん(男性)に、街中で偶然遭遇。ほんの数分、立ち話をしたとのこと。 彼氏がストーカーに…嫉妬男のゾッとする愛情「わざわざ報告するほどでもない、本当に挨拶程度の会話しかしませんでした。Bさんも、Aとの会話の流れで『そういえば偶然会ったよ』くらいに話したんだと思います。それなのに、『隠れて会っている』と、私とBさんの関係を疑いはじめたんです」  思いもよらない疑いを掛けられ、日増しに激しくなる束縛。  どんなに説明しても分かってくれないAさんに嫌気がさし、ミサコさんは別れを切り出しました。 「Aは別れたくないって、いつまでも食い下がりました。出るまで何度も電話してきて『話し合いたい』というのですが、いつもほぼ無言。どうやら背後の気配を確認していたようです。『誰かいるの?』『今の音なに?』なんてことだけは言っていましたから。電話に出ないと、今度は家まで来るようになりました。開けませんでしたけどね。ただ、待ち伏せしていることもあって、だんだん怖くなってきたんです」  実家は遠く、仕事もあるため、頼れるのは友人だけ。できるだけ自宅に戻らずに済むよう、友人宅に泊めてもらっていたとのこと。荷物を取りに戻るときは友人につき添ってもらい、遅い時間になるときは友人のカレに車を出してもらうなど、ひとりにならないように気をつけながら、Aさんの気配におびえて過ごしたといいます。  そんな状況に、Aさんもあきらめがついたのか。2ヶ月を過ぎるころには連絡も来なくなったそうです。

歪んだ愛情が生んだストーカー行為

 元カレAさんに対する恐怖心からも解放され、少しずつ元の生活に戻りはじめたミサコさん。ただ、友人の勧めもあって引越しを決め、新居が決まるまでは友人宅に住まわせてもらうことにしていたそう。 「その日は急遽友人に予定が入って、ひとりで荷物整理に行ったんです。昼間という安心感もありましたし、あとから友人がカレと来てくれる約束だったので、鍵を閉めて家の中で待っていれば大丈夫だろうと油断していました。Aからの連絡も途絶えていましたし……」  久しぶりに帰宅する我が家。引越しの荷物をまとめながら友人たちが来るのを待っていると、友人の名前で依頼を受けたネットスーパーからの宅配サービスが訪問。「夕飯はここで食べるのね」と思いながら荷物を受け取り、ドアを閉めようとしたところ、すごい勢いでドアを引っ張られてAさんが入ってきたそうです。 「私の帰宅を待ち伏せていたようです。あとから分かったことですが、帰宅を確認してすぐにAが宅配を頼み、玄関を開けるタイミングを見計らって家に乗り込んできたんです」  恐怖でその場に崩れ、声も出ないミサコさんをいとおしそうに抱きしめると、「やりなおそう」と繰り返すAさん。 「Aの穏やか過ぎる態度に、断れば殺されるんじゃないかという恐怖でいっぱいでした。とにかく怒らせないように話さなければという思いが頭を回るのですが、怖くて声が出ない。そんな反応を楽しんでいるようでもありました」  Aさんがミサコさんに向けた言葉は「ミサコが浮気しなければ、こんなことにはならなかったんだよ」「もう許してあげるから、戻っておいで」など、“ミサコはBとの関係で自分を責めて、オレから距離を置こうとしている”と解釈している様子だったといいます。  Bさんとはなにもないこと、やりなおすことはできないことを、やっとの思いで伝えたミサコさん。すると、「今までお前に貢いだ全額を今すぐ返せ!」「俺の写っている写真はすべてよこせ!」など、逆上して騒ぎはじめたAさん。“返すことで別れられるなら”と承諾すると、今度はその場で泣き崩れたといいます。 「床にうずくまって、子どものようにしばらく泣いていました。そこに、渡していた合鍵で友人たちが入ってきたんです。いないはずのAがいて、しかも泣いているんですから、驚きますよね(笑)。状況を把握してから友人のカレがAに話をしてくれて、ようやく泣き止みました」  ミサコさんが別れたいのはAさんの態度が原因であること、執拗に追いかけるのは男らしくないこと、今の行動はストーカーだということなどを友人のカレに諭され、我に返ったAさん。自分の行動がストーカーだったことにはかなりのショックを受けたらしく、ミサコさんに一言「ごめん」といい残し、力なく家から出ていったといいます。 「もし友人とカレが来てくれなかったら、どうなっていたのか。考えるだけでゾッとします。今は引越しも終え、ようやく安心して生活できていますよ」と、笑顔をみせるミサコさんですが、次の恋愛は「しばらくしたくない」とのことでした。 <TEXT/千葉こころ PHOTO/Jan Kamenar>
千葉こころ
ビールと映画とMr.Childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。
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