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女子に上ばきを履かせてもらう息子の将来【シングルマザー、家を買う/30章】

<シングルマザー、家を買う/30章>

バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。


(前号までのお話)
ひとり親家庭が年に1度提出する「現状報告書」を役所に出しに行ったある日、3歳にして見事な太鼓持ちぶりを披露する女の子と出会ったシングルマザーはその後、同じくシングルマザーであるその子のお母さんと生涯の親友となった。

家計を助ける「愛の手帳」



 息子が表出性言語障がいだとわかってから1年。

 東京都から配布された「愛の手帳」(東京都療育手帳)を持っていれば、都営地下鉄や都営バスの運賃がその当人と同乗者1名が無料になると知り、息子と娘、そして私は毎週末のように遊びに出かけるようになった(ちなみにタクシーは1割引き!)。

 せっかくこんな手帳を持っているなら、これを使わない手はない。とはいえ、私が住むところに都営のバスは走っていないので落ち込んでいると、なんと東京で走っているバスであれば、同乗者の運賃が半額になるという。ありがとう、行政!

シングルマザー、家を買う/30章 たしかに、健常である子供は行く必要のない療育センターや、隣町の大きな病院まで行くのには、時間も電車賃もかかる。息子が行っている療育センターに関しては、駅から離れた丘の上に建つので、車のない我が家は晴れの日は自転車、雨の日はタクシーで向かうしかない。おかげで、この手帳を配布されてから、かなり家計が楽になった。

息子の恐るべき愛嬌



 そんな息子の障がいは、言葉を持たない障がいだ。現在、息子は娘の名前と、“ばあば”の二言しか話さない。あとは喃語(なんご)と、リアクションだけで生活をしているのだ。だからこそ、コミュニケーションは、その性格によってだいぶ変わってくると思う。

 幸い、息子は相変わらずの愛嬌で、バスで隣り合わせになった人や、電車で向かいの人にニコリと愛嬌をふりまき、知らない間にその人たちと手をつなぎ、お歌を歌ってもらったりしている。手拍子とリズムをとること、さらに拍手が大好きな息子は、歌い手を最高に気分よくさせるので、宴会に、息子を一人おくだけでだいぶその場が盛り上がると思われる。その積極性……恐るべし。

女子は永遠に身勝手な男子に惹かれる



 さらに、母性をくすぐる力を持ち合わせ、クラスの女子にも大人気らしい。力が強く、何をしでかすかわからないうえにマイペースな息子なのだが、女子というものは、永遠にそういう身勝手な男子に惹かれるものだ。

 私も、前髪がやたらと長く、“この人は一体何を考えているのだろう”という人たちに何度惹かれて、何度痛い目に合ったか! しかも、だいたいそういうタイプに限って何も考えていない。勝手に自分で想像力を働かせてその中に入り、出られないともがいて泣いているのだから、ホント、アホな話だ。まぁ、それが恋愛の醍醐味なんだろうけど。

 そして、そんな息子にも思いを寄せてくれているクラスメイトがいる。その子の名はみいちゃんといい、とってもかわいくて、しっかりものの、“ザ・長女”。毎朝のように同じ時間に保育園に送り届けられる彼女は、息子をみつけると最高の笑顔で迎えに来てくれるのだ。

⇒【後編】「献身的な女子はダメ男を引き寄せる」に続く http://joshi-spa.jp/320377

<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>

⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。現在は西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽雑誌やファッション雑誌、育児雑誌や健康雑誌などの執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky

シングルマザー、家を買う

年収200万円、バツイチ、子供に発達障がい……でも、マイホームは買える!

シングルマザーが「かわいそう」って、誰が決めた? 逆境にいるすべての人に読んでもらいたい、笑って泣けて、元気になる自伝的エッセイ。

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