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もしや霊感!? 息子は“何か”が見えている【シングルマザー、家を買う/31章】

<シングルマザー、家を買う/31章>

バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。


(前号までのお話)
息子を保育園に送り届けたある日、クラスメイトの女子が靴箱の前で息子に上履きを履かせてあげている光景を目撃。献身的なその子の姿を見ながら、自分のようにダメ男に引っ掛からないことを願うシングルマザーだった。

息子の不思議な能力



 表出性言語障がいの息子は、いつも何かを感じている。

 というのも、よく、何もない空間をじっと見つめて、怖がったりいきなり泣き出したり、さらに踊り出したりするのだ(踊るときは機嫌がいいだけだと思うけど)。これは長女にはなかったこと。むしろ、飼い猫のプー太郎にはよくある現象だが……。あれ、息子は猫と同じ感覚を持っているのか!?

驚くべきジェスチャー力



 息子は話せない分、すべてのことをジェスチャーと喃語(なんご)で表現する。そのジェスチャーは驚くほど豊かで、言葉の通じない外国人と話している気分だ。

 たとえば、ご飯を食べたければ茶碗を持ち、私を炊飯器まで連れていく。さらに、牛乳を飲みたいときはコップを持って私を指さし、「アッ、アッ!」と言った後に冷蔵庫を指さす。飲んだ後は、空のコップを飲むふりをしてお腹を叩くのだ。もはや、飲んだ後のジェスチャーもカンペキである。

 さらに、夏になると“熱い熱い”とTシャツのお腹の部分を引っ張り、仰ぐジェスチャーをする。これは、私に扇風機をつけろと言う合図なのだ。

 それを見た私は、「もうボタンは押せるんだから自分でつけなよ」と言うと、息子は「ア!」と驚いた表情を浮かべ、すぐさま実行に移す。自分でボタンを押し、扇風機が回ると、「オー!」と私の顔の前で拍手をして、「褒めろ」とせかすのだ。親バカで申し訳ないが、その時の表情はかわいくて仕方がない。

 先日は、朝起きたときにおしっこをオムツにしたらしく、私は強めのビンタで起こされ、寝ぼけ眼のまま息子を見ると、片手に大きなオムツ袋を抱え、そのオムツ袋と自分の股を交互に指さしたあと、私を指さしたのだ。完全に「オムツを変えろ」の合図である。

シングルマザー、家を買う/31章 それを見たときは、さすがに「そこまでできるならトイレに行けよ」と思わず爆笑してしまった(みんなよりもオムツ外しが遅れているのは百も承知である。今年こそは外さなくては!)。

 息子の障がいは、言葉にすることが難しいというだけで、他者が言っている意味は8割方理解できるのだ。そのため、私が声をかければ指示通りに物事をこなす、話せない息子の行動は、他人からすれば不思議な光景らしい。

何かが見える!?



 そんな息子が、3歳くらいの頃からやたらと何もないところを指さし、何かがあると教えてくれるようになった。しかし彼は話せないので、何があるかはまったくわからない。ただ、部屋の隅や、デパートの何もない空間などを指さし、「アッ! アッ!」と教えてくれるのだ。

 ……一体そこに何があると言うのだろう。私には、まったく何も見えない。だからこそ、私は息子を「はいはい」とたしなめ、「あっちに行こうか~」と気を逸らすくらいしか対処できないでいる。

 そんな中、決定的な事件が起こった。

※次回「病院にまさかの『貞子』!?」

<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>

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【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。現在は西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽雑誌やファッション雑誌、育児雑誌や健康雑誌などの執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky

シングルマザー、家を買う

年収200万円、バツイチ、子供に発達障がい……でも、マイホームは買える!

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