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「音楽フェスは女の媚薬」アラフォー主婦がビッチ化した夏

 開放感あふれる夏。それはときとして、思いもよらない展開をみせることがあります。  そんなひと夏の思い出を、結婚生活14年目を迎えるスミレさん(仮名・41歳)が語ってくれました。

久々に手にした自由と、運命を変えた夏フェス

 スミレさんは商社に勤めるご主人と中学1年生のひとり娘との3人暮らし。仕事に明け暮れるご主人は家を空けることが多く、夏は毎年、夏休み中の娘さんとふたりで過ごすことが多かったそうです。 夏フェス「小学生のころは子どもが毎日家にいるので、娘中心の過ごし方をしていました。でも今年は部活や友だちとのお出かけなどで娘も家を空けることが多く、久しぶりに自由を感じられる夏だったんです」  数年ぶりに手にした、ひとりの時間。はじめは家の片づけやショッピングなどをして過ごしていたそうですが、一本の電話で人生が変わったとのこと。 「SNSで気ままに過ごしていることを知った友人が、『夏フェスのチケットが1枚余ってるから一緒に行かない?』と声をかけてくれたんです。はじめは悩みましたが、一度行ってみたいとは思っていたのでOKしました」  結婚してからは家事と子育てに追われ、イベントごととは無縁だった日々。青空の下で音楽とお酒を楽しみながら友人と過ごす時間は、「学生時代に戻った気分」になれるほど充実感を得られたそう。 「久々に自由を手にした解放感と、夏、フェスというシチュエーションが媚薬になったのでしょうか。体の内側からはじけるような楽しさを感じました。あんなに興奮したのは本当に久しぶり。“生きている!”という実感を大げさじゃなく感じられました」  そんな思いを味わってしまうと、後戻りできなくなるのが人間というもの。そのフェスをきっかけに、スミレさんは友人とともにいろいろなイベントに出向くようになったそうです。

久々の悦びに女が目覚め……

 友人と連れ立ってさまざまなイベントに赴いていたある日、ひとりの男性に声をかけられたスミレさん。 「爽やかな雰囲気の男性に、『この間の○○にも来てたよね? 話してみたいなって思っていたからまた会えて嬉しいよ!』って言われたんです。男性に声をかけられること自体もう何年も縁のなかったことなので、舞い上がってしまいました。  嬉しくて飲みすぎたのか、声をかけられたことに酔いしれたのか、記憶はあいまいなんですが、気づいたらキスされていて……そのままホテルに行っちゃいました」  心の浮気ひとつせず、夫と子どもに尽くしてきた14年。いざその時を迎えると急に我に返って不安になったそうですが、抱きしめられるぬくもり、肌の触れあう感触に戸惑いはかき消され、おぼれるように行為にのめり込んでいったとのこと。 「もう何年も、主人に抱かれていませんでした。自分でもそんな欲求は消え失せたと思っていたのですが、彼に触れられた瞬間、忘れていた感覚がよみがえって、久しぶりの悦楽に幸せすら感じました」  ひとりの女として求められる幸せ。体で感じる悦び。この先、もう二度と味わうことはないと思っていただけに、心の中で何かがはじけたスミレさん。それからはイベントに出向くたびに、出会った男性とひと夜の恋を楽しんでいるといいます。 「お楽しみが待っている高揚感と秘密があることへの背徳感からか、不思議なことに、家事や子育て、夫と過ごす時間でさえも充実を感じるんです。見た目に気を遣うようになったこともあって、自分に自信を持てるようになったのも嬉しい変化ですね。  主人との関係からも、年齢的にも、もう女として求められることはないと思っていたので、今の生活は正直夢のようです。夏の終わりとともに元の生活に戻れるのか……。今唯一の悩みといえばそのくらいですね(笑)」  一度味わった甘い蜜の味は、そうかんたんには忘れられないようです。 <TEXT/千葉こころ PHOTO/Maksim Shmeljov>
千葉こころ
ビールと映画とMr.Childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。
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