結婚はイケメンにこだわらない方がいい理由【シングルマザー、家を買う/34章】
<シングルマザー、家を買う/34章>
バツイチ、2人の子持ち、仕事はフリーランス……。そんな崖っぷちのシングルマザーが、すべてのシングルマザー&予備軍の役に立つ話や、役に立たない話を綴ります。
(前号までのお話)
気球に乗りたいという娘の願いを叶えるため、北海道へ家族初めての遠方旅行へ。しかし、気球を前にして娘が急に搭乗を拒否し、一人で乗るはめになってしまったシングルマザーは「親の心子知らず」と空の上で強く思ったのだった。
シングルマザー同士が集まると、自然と仕事と育児の話になる。そして、最近よく話しているのがいつか来る“老後の話”。
結婚をしていた時は、こんなにも老後について考えたことはなかったように感じる。しかし、今や自分一人でどうにかしないといけないと考えたときに、今から準備がいろいろ必要になってくることに気づいたのだ。経済的な問題も抱えているからこそ、真剣に考えるようになったのだろう。
そんな話をしていると、自然と再婚の話にもつながってくる。私を含め、いつも一緒に遊んでいるシングルマザーのみんなは、直近の再婚願望はないが、子供が巣立った老後に、パートナーが見つかればいいなとは考えている。その時を想定して、お互いの好みなどを話すのだが、私と太鼓持ちの娘を持つママ(29章参照)は胸を張りながら声を揃えて、大きな声で“イケメンがいい”と発言していた。好みや理想を話すくらい、自由だろう。夢だって大きく持った方がいい。娘だって松潤がいいって言っていたし!
しかし、同じくシングルマザーでケアマネジャーの友達(20章参照)は、まったくビジュアルにこだわらないと言い張るのだ。ここでよくある女子会のテーマ、「性格の悪いイケメンと、性格が最高なブサイクどちらがいいか」という討論になるのである。しかし、この討論をバツイチ子持ちの3人で言っているのだから果てはない。まぁ、これはエンタメの一つと言っていいだろう。
しかし、どんなに討論したとしても、ケアマネの友達は、絶対にイケメンにこだわらない方がいいと言い張るのだ。なぜそこまで言い張れるのかと私たちが聞くと、なによりも的確な答えが返ってきた。
「人間、70歳過ぎるとみんな同じ顔になるから!」
さ、さすがご老人を相手に仕事をしているだけある……。しかも彼女はこう続けた。
「もうね、そんくらいになると、“過去のイケメンど~れだ!”って聞いてくるからね。もう全然わかんないから! 過去の写真見せられて、めっちゃイケメンな人と、めっちゃブサイクな人、いまや同じ顔だから! その二人がゲラゲラ笑ってお互いの顔指さしてるんだから、おじいちゃんたちは面白いよ」
……何だその会話。てか、その老人ホーム面白すぎだろう。
⇒「老人ホームは色恋沙汰や嫉妬でドロドロ!?」
<TEXT/吉田可奈 ILLUSTRATION/ワタナベチヒロ>
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【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、音楽ライターを目指し出版社に入社。その後独立しフリーライターへ。現在は西野カナなどのオフィシャルライターを務め、音楽雑誌やファッション雑誌、育児雑誌や健康雑誌などの執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘はネットで見かけた名言“死ぬこと以外、かすり傷”。Twitter(@singlemother_ky)
シングルマザーの“老後の伴侶”問題
イケメンもブサイクも同じ顔になる



吉田可奈
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、出版社に入社、その後独立しフリーライターに。音楽雑誌やファッション雑誌などなどで執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。長男に発達障害、そして知的障害があることがわかる。著書『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん? 発達障害・知的障害の子と生きる』Twitter(@knysd1980)
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