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タトゥーを消すには、レーザーと切除どっちがいい?医師に相談してみた

 女子SPA! 読者の皆さんのなかには、タトゥーが入っていたり、根性焼きの痕が残っていたりする、いわゆる「昔チョットやんちゃしてました」なんて人はいるでしょうか?  ボク、ゴメス記者はそういった女性は決して嫌いじゃなく、いや、キャバクラやデリヘルでもむしろ積極的に指名してしまうくらい、けっこう好きだったりします。 タトゥー(刺青)

若い頃入れちゃったタトゥーを消したい

 この手の女子は幼少または思春期時代、家庭環境に恵まれなかったケースが多いせいか、ファザコン気質が強い傾向があり、ゆえにゴメス記者のようなアラフィフ世代のおっさんをも“彼氏対象”として見なしてくれるからなんですよね。しかし、そんな彼女たちにもいろいろ悩みがあるようで……。今回、お話を聞いたY美ちゃんもそんな一人でした。 ゴメス記者(以下、ゴメス):(渋谷マルキュー前にて)あれ? もしかしてY美……ちゃん? Y美:ゴメス……さん、ですか? お久しぶりです。 ゴメス:5年ぶりとかだよね? たしか歌舞伎町のキャバクラで働いてた……今、いくつになったの? Y美:28歳になりました。 ゴメス:そーなんだ! で、今はなにやってんの? Y美:まだ、夜……です。でも、早く昼の仕事に変わりたくて。 ゴメス:どーして? 夜のほうがワリもいいし、早起きしなくて済むから楽チンじゃん? Y美:じつは私、今2歳の子どもがいるんですよ……。 ゴメス:がび~ん! Y美:シングルマザーなんですけど……。だから、そろそろ夜は引退しなきゃヤバいじゃないですかー。 ゴメス:なるほどね……。 Y美:でも、昼の仕事をするのに、一つ大きな悩みがあって……。 ゴメス:なになに? よかったら、そこの喫茶店で相談に乗るよ! ――マルキューから徒歩1分の喫茶店『TOP』にて Y美:じつは、コレなんですよー(と、いきなりテーブルの下で股を開く)。 ゴメス:ち、ちょっと! いきなりこんなところで!? ん……? すごい見事なタトゥー……ってよりは薔薇の刺青が内ももに入ってるね。昔からこんなの入ってたっけ? Y美:3年前に元ダンナと一緒に入れたんですよ。あと、腰(20cmほどのアルファベットタトゥー)とホラ、ここにも(と右腕を差し出す)。 ゴメス:右手の甲にも小さいのが……。 Y美:コレ……全部消したいんですよね。今度の昼の仕事はカタい会社に勤めたいんで……。それに、保育園とかでもタトゥーが入ってたら肩身も狭いし、家族旅行で温泉にも行けないし。ゴメスさん、どこかいい病院、知らないですか? ゴメス:知らなくはないけど……。たぶん、素人目から見ても内ももの刺青は大手術になりそうだからなあ。とりあえずは服で隠せない手の甲のタトゥーだけでもなんとかできりゃね……。わかった! 一度聞いてみるから、タトゥーの写真撮らせてよ。さすがに喫茶店じゃマズいから、道玄坂のラブホとかで。 Y美:カラオケボックスでお願いします! ……と、安請け合いしたゴメス記者。女性の頼みは断れないと、カラオケボックスで撮影した施術希望部位写真を持参して向かった先は美容外科。「東京イセアクリニック」の吉種克之先生にお話しを聞いてみました。

医師によると、タトゥー除去法は4種類

ゴメス:彼女みたいに、タトゥー除去をしたいという女子は、やはり多い? 吉種先生:当院の場合、毎月100件以上の問い合わせをいただいております。「就職活動のために消したい」「結婚、出産するから」「出産後、世間体もあるから」……動機はさまざまですが、一般的な社会人として生きるには、足かせになる場合もあるようです。  ほんのワンポイントのタトゥーでも公衆浴場などに入れないケースもありますし。軽い気持ちで彫ってしまうと、ほぼ100%後悔するといっても過言ではなく、「傷が残ってもいいから、とにかく消したい」という患者さまが大半です。 ゴメス:具体的にはどんな施術があるんですか? 吉種先生:大きくは、  ・レーザーを照射して、高熱作用でタトゥーの染料を燃焼させる「レーザー術」  ・タトゥー部分の皮膚を切除し、縫い合わせる「切除縫合術」  ・タトゥー部分の皮膚を削ぎ落とし、自然治癒させる「削皮術」  ・他の部位の皮膚を移植する「植皮術」 の4種類があります。 ゴメス:彼女のタトゥーは、どの施術が一番向いているのでしょう? 吉種先生:太ももの大きな刺青は植皮術じゃないと厳しいですね。でも、それ以外はレーザーか切除縫合で対応できますよ。 ゴメス:費用はおいくらほど? 吉種先生:あくまで概算ですが、「レーザー術」は(1センチ四方)一回約1万円~、「切除縫合術」は(1センチ四方)で約10万円強~、「植皮術」は約70万円~といったところです。 ゴメス:じゃあ、とりあえず手の甲の小さいヤツだけを消すんだったら、レーザーが一番安上がりですね? 吉種先生:正直な話、当院ではレーザー術はあまりおすすめしておりません。レーザーの反応が悪く、非常に多数回の照射が必要になる可能性が高いので、結局は切除のケースと同じくらい、下手すればそれ以上の費用がかかることだってありますし、ケロイド・肥厚性瘢痕・皮膚の収縮化などの危険もあるうえ、完全除去できる保障もない……。  つまり、もっとも確実な方法は「切除縫合術」なんです。 ⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=368104
切除縫合術Before

切除縫合術(左胸上)Before

切除縫合術After

切除縫合術(左胸上)After

ゴメス:手術は一回で大丈夫? 吉種先生:切除の方法には、1回の手術でタトゥー(刺青)全体を切り取り縫合する「単純切除術」と、2回以上に分割して切除する「分割切除術」があります。  小さめだったり、皮膚に余裕がある部位のタトゥー(刺青)であれば、1回の切除で除去できる可能性が高いのですが、手足の指や足の甲や足首など、皮膚の余裕がほとんどない部位では、たとえ小さなものでも分割切除となります。  1回で切除可能かどうかは、皮膚をつまんでみればわかります。タトゥー(刺青)部分を簡単に全部つまめるかどうかが目安ですね。 ゴメス:ただ……切除するからには手術跡も残ってしまうのでは? 吉種先生:切除縫合術とはタトゥー(刺青)の入った皮膚を切り取り、周囲の皮膚を縫い合わせる除去方法ですから、手術痕はかならず残ります。ただ、3~6ヵ月で赤味はとれ、除々に目立たなくなっていきます。彼女の手の甲の小さいものなら、おそらく細い一本線状の手術痕だけで済むのではないでしょうか。 ⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=368106
切除縫合術(腰)Before

切除縫合術(腰)Before

切除縫合術(腰)After

切除縫合術(腰)After

ゴメス:やっぱ、一度彫ったら、完ペキに“無かった状態”へ戻すのは現在医学でも難しいってことかぁ……。 吉種先生:切除縫合術は、タトゥー(刺青)を入れる前の状態に戻す手術ではなく、タトゥー(刺青)を事故や怪我の痕としてごまかすための手術。まずここを認識していただくことが重要なんです。  そして、その手術痕を極力患者さまの納得できるかたちに“デザイン”できるかは医師の腕次第。個人的には、ボールペンで描いたものを消しゴムで無理矢理かつ中途半端に消したようなレーザー術の“仕上がり”よりは、多少の手術痕が残っても「入れていなかったこと」にしてしまうほうがベターだと思いますね。 【後日談】最終的にY美ちゃんは、予算の関係で(?)、ゴメス記者の別のツテで紹介してもらったという某美容外科でレーザー術を受けることに。3度目の照射を終えた段階で見せてもらった手の甲のタトゥーは……“濃紺”がせいぜい“濃いブルー”に変わった程度のものであったそうです。 取材協力/医療法人社団十二会 東京イセアクリニック <取材・文/山田ゴメス>
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