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既読スルーで彼マジギレ…それは「デートDV」の始まりかも

「LINEを読んだらすぐに返事をしないと彼に怒られる」 「同僚の飲み会でもそこに男性がいるだけで『行くな』と言う」  こんな束縛の激しい彼に「愛されてるから」なんていって我慢してませんか。  それ、「デートDV」かもしれませんよ……? 怒る彼 異性と付き合うのには、多少の我慢は必要……とはいっても、限度があります。その「限度」ってなに? というのを教えてくれるのが、『レンアイ、基本のキ――好きになったらなんでもOK?』(岩波ジュニア文庫・打越さく良著)です。  著者の打越さんは、離婚訴訟や夫婦間のDVを山ほど扱ってきた女性弁護士。DV(ドメスティック・バイオレンス)は身近な人による暴力を言いますが、夫婦・親子間だけでなく、デートをする関係での「デートDV」も近年問題になっているのです。  同書は、そうした若い恋人たちのDVについて、『君に届け』『失恋ショコラティエ』『カラフル・パレット』『コウノドリ』といった人気漫画を例に出すなどして、わかりやすく解説してくれています。 レンアイ、基本のキ

小さな束縛がエスカレートしていく

 DV=暴力と言っても、グーで殴ったり蹴ったりするだけではありません。同書(P81~82)で挙げられている「デートDV」の分類をかいつまんで紹介すると――  1)殴る、蹴るなどの身体的暴力  2)バカ、死ねと言ったり、怒鳴るなどの精神的暴力  3)メールをチェックしたり友達関係を制限するなどの社会的暴力  4)高価なものを買わせたりデート費用を払わせたり、借りたお金を返さないなどの経済的な暴力  5)無理矢理セックスをしたり、避妊をしないなどの性的な暴力  などを指します。  最初から激しいDVをする人はいないのですって。最初の小さなタネが、後に大きく育ってしまうんです。 「(相手の)いい面だけを見て、怖い面には目をつぶり、『本当は優しい人なんだ。怒らせた私も悪かった』と我慢してしまう女性はかなりいる。そして、暴力はそれ自体がエスカレートしがちなものだ。  以前の痛めつけ方では懲りていないんだから、今度はもう少し強く。前のではまだわからないのだから、もっと…。そうして暴力が日常になっていく」 (同書P61)  特に、「いやだ」と言っているのに、無理矢理セックスに持ち込まれたことのある女性は多いのではないでしょうか。意外と、女性も男性も「こういうものだ」と思いこんで、小さなDVを許容してしまっていることがあります。  若い頃には軽いDVで済んでいたものが、大人になって深刻なDVにつながることもあるのだそうです。同書は、若い人向けに書かれてはいますが、大人にもお勧めします。

それはホントに「愛」ですか?

 私の大学時代にも、恋人が異性と喋るだけで怒り出したり、合い鍵で勝手に部屋に入って探りを入れたりする人がいました。 『レンアイ、基本のキ』を読んで、ぜひ自分の経験に照らし合わせて考えてみてください。もしかしたら「自分が受けているのはDVだったのか」と気付くかもしれません。逆に、自分が愛だと思っていた行為は、単なる押しつけだったと気付くかもしれません。 「付き合うとは、どういうことか」「どういう関係が幸せなのか」をしっかり考えていきませんか。 <TEXT/和久井香菜子> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
和久井香菜子
ライター・編集、少女マンガ研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。英語テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。視覚障害者によるテープ起こし事業「合同会社ブラインドライターズ」代表
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レンアイ、基本のキ――好きになったらなんでもOK?

つき合った途端「オレの言うことをきけ」と言う彼。「好きなら相手にあわせるのが当たり前」と思う私。「恋愛って相手を束縛することなの?」「一方だけが我慢するのっておかしくない?」。様々なケースから不幸せにならない二人の関係のあり方を考えていく。

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