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「何歳までに結婚、とか決める人生は“死に待ち”だ」ジェーン・スーさんに聞く

人生の計画を立てるのは「死に待ち」だ

――次に本を出すとしたら、狙っているテーマとかありますか? スー:ないですね。思ったことを書いてそれがたまったらという感じですかね。本当にね、人生なんて絶対計画しないほうが楽しいですよ。「死に待ちだよ、そんなの」って先日AM(アム)というサイトでやっている人生相談でも言ったんですけど、計画すればするほどどんどん先まで決めたくなって、自分で宿題を決めてそれをやるだけの人生になると、最終的に死ぬのを待っているだけになってしまうと思うんです。  そうすると結婚できないんですけど、まぁ別にいいかみたいな(笑)。 「いくつまでに結婚しないと、いくつまでに子供を産まないと、いくつまでにいくつまでに……そのためにはこれをしないと……」って言っているのは死に待ちですよ。  この間友だちが、「60歳で仕事を辞めて80歳で死ぬとして、年金がいまよりちょっと減ると想定すると、医療費とかも含めて月に20万必要だとしたら4800万いる」っていきなりLINEで送ってきたんですけど。 (一同爆笑) スー:二人で「ヤバイ、それヤバイ!大至急集まろう」「いま40だから60までの20年間に4800万貯めないとヤバイ!」と言って、「これは節約だわ」ってセブンイレブンでおでんを買って2階のイートインで食べて。結果「もういいや」となって、翌日には二人で別のところにご飯食べに行ったんです。  その子はちゃんと銀行まで行って個人年金の表とかももらってきて、それを広げておでんを食べながら「あぁこれか」「でもこれしか貯まんないんでしょ。無理――!」って。最終的に「死ぬべ」「死ねばいいんじゃないの?」「まあでも最終的には道の上でも住めるし」みたいな話になって、「じゃーねー!」って言って自転車で帰って終わりっていう。 (一同爆笑) ――ではこの先はとにかく決めないことを大事にしていきたいと。 スー:そうですね。いまのままということではなくて、決めないということです。やりたくないことはやらないけど、信頼できる人が何か新しいことを提案してくれたらそれは真摯に考える。 ――「それぞれの生き方を尊重して、そこに敬意を払って尊敬できる人の話はちゃんと聞いて」というのは本来あるべき姿ですが、何回りもしないとわからない人も多いし事例をいっぱい集めたらわかる人もいる。わかる人たちが読んでいるから好評価を受けているのだと思います。 スー:あと誤解しないでいただきたいのは、『わたプロ』は、私ができることを書いているのではなくて「私ができてないこと」を書いているんです。改めて読み直してみたら半分くらいはできていなかったというのが多々あったので、「私がスゴイ!」というのではないんです。  これが全部できていて、まるで説法のように「これはよくないんだじょ!」と言っているのではなくて、「私はまだできていませんのでみんなで手を取り合ってがんばりましょう」ということなんです。  できないことを101個書いたら本が出たって、本当世間は優しいと思います。いい話だなって。 ――できるできないというよりは、スーさんが語るということがいいんだと思います。人間は誰しも完璧ではないですから。101個まとめてぶつけられることでようやく気づける人たちもいると思うので、スーさんがまとめたことはものすごく意味があると思います。 スー:ありがとうございます。自覚していることが大事だと思います。「自覚・自認が大事で自責はやめろ」というのが私のポイントです。自分を責めるのはもったいないですから。 <TEXT/丸山ゴンザレス>
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