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「みんな、カミングアウトしても大丈夫だよ!」“同性婚”をした一ノ瀬文香は語る

まず制度を変えれば、意識が付いてくる

――カミングアウトのお話に戻りますが、今って、オープンリーな(公表している)LGBTと、クローゼットな(公表していない)LGBTと、二極化していると思うんです。それについてはどう思いますか? ⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=484823 一ノ瀬:自分のセクシャリティを言いたくない人がいるということは否定すべきではないと思います。その気持ちもわかりますし。  でも、世の中が変わっていったら、クローゼットな人たちも変わるかもしれないですよね。そのために言える人たちが声を上げるってことが大切なんだと思います。ただし、「自分は何もしないけど、一ノ瀬さんたちが世の中を変えてよ」っていう他力本願な人たちを見ると、自分の人生それでいいのか! って思いますけど(笑)。 ――世の中を変えるには、やはり声をあげることが必要ですね。ただ、今少しずつ制度が変わってきてますけど、人の中に根付いている差別意識・偏見はそう簡単に変わらないような気もするんです。 一ノ瀬:日本人って世界の人たちと比べると、わかりやすいことが好きなんだなって感じるんです。わかりやすい情報だけを取り入れて、あまり物事を多角的に調べようとはしないというか。だから、みんなもっとLGBTのことを深く考えて差別意識がなくなっていけばいいなとは思っています。そのために、私みたいな人たちが声をあげていくべきだし。  それとは別に、日本人には「ルールをきちんと守る」っていう良い面があると思うんです。あまり考えずに、それを与えられたものを受け入れるという言い方もできるかもしれないですけど。  だから先に同性愛に関する制度を整えることによって、みんなの差別意識がなくなる方向に進んでいくとも思うんです。もちろん、根本的な差別・偏見がなくなるのが一番ですけど、その道筋を作るために法制度を整えるというのも、とても有効なことなんじゃないかと信じてます。 ――なるほど。確かにそういう考え方もありますね……。

波風立てずに、偏見をかわす技術

――では最後に、個人的な相談をしても良いですか? 実は最近、「隠れゲイ」のコラムを書いて炎上しちゃったんです……。会社のOLに「どうしてアシルさんは彼女がいないの?」って責められたときに、「40代・独身・派遣という自分のことをまず心配しろ」って撃退したという内容なんですけど。  それについて、どう思いますか? 一ノ瀬文香3一ノ瀬:それ読みましたよ(笑)。  記事を読んだ時、若い方が書いているんだろうなって思いました。頭にきたのもわかるけど、やっぱり発信する側は気をつけないとね。  私自身、公な立場で何かを発信するときは注意してますもん。それでも時々、「もっと弱者に寄り添って欲しい」って言われたりもしますし。  私たちはただでさえ差別されてしまう立場だから、返す言葉は常に考えておくべき。常にツッコまれないようにってことを意識しつつ、自分が主張したいことを正しい言葉で伝えていくってことが大事なんだと思います。  ほら、ノンケの男子から「もったいないよ」って言われた時の私の返し、最高でしょ?  あんなふうに、波風立てずにうまいこと言えばいいんですよ(笑)。 **********  とてもキレイな見た目とは裏腹に、ざっくばらんにお話してくださった一ノ瀬さん。LGBTの権利を変えるために活動している方なので、もっと堅い人かと思いきや、その素顔はフランクで誰からも愛されるような女性でした。  凛としつつも朗らか。今後も、レズビアンを公表している芸能人として、多くの人たちを笑顔にしていくのではないでしょうか。一ノ瀬さん、がんばってくださいね! 【一ノ瀬文香さん プロフィール】 1980年8月12日生まれ。タレント・コメンテーターとして活動。LGBTの人たちに自分らしく生きる勇気を与えること、もっと多様性が認められる世の中になることを願って、2009年に週刊誌でレズビアンであることをカミングアウト。2015年には女優兼ダンサーの杉森茜さんと挙式している。TBS『白熱ライブ ビビット』などのテレビ番組や『ゼクシィPremier』などの雑誌等にも出演中。 <TEXT/渋谷アシル PHOTO/山田耕司> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
渋谷アシル
昼間は会社員の仮面をかぶった、謎のゲイライター。これまでお付き合いしてきたオトコをネタに原稿を執筆する、陰険な性格がチャームポイント。オトコに振り回される世の女性のために、ひとり勝手にPCに向かう毎日。
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