新年度を迎え、引き続きクラス役員を引きうけたフサエさん。PTAの集まりに行くと、そこにはアヤさんの姿が。 　はじめは気まずさもあったものの、アヤさんがママ友と楽しそうに話す姿を見かける機会も増えて安堵したというフサエさん。ところがある日、いつものようにPTAの会合に顔を出すと異様な雰囲気を感じ取ります。 「視線は感じるのですが、みんな目を合わすことなくヒソヒソ話していて、会合後もサッと解散したんです。知り合いのママ友に話しかけても、『用事があるから』って逃げるように帰ってしまいました」 　その後もその空気は続き、悩んだ末に何があったのか確認しようとアヤさんへ連絡を取ることに。 「アヤは電話口で、私の良くないウワサが流れていて、みんなはそれを信じて避けていると教えてくれました。『私はフサエのこと信じているし、いちばんの味方だよ。こうして頼ってくれるの待ってた。嬉しい』って言ってくれました」 　それを機に、再び始まったアヤさんとの交流。以前のようにふたりで過ごす時間も増えました。しかしそれから数か月して、とあるママ友に呼び止められたフサエさん。 「彼女は避けたことを謝ったうえで、言いにくそうに真相を話してくれました。“ふたりのときにママ友たちの悪口をさんざん聞かされた”、“旦那が種なしで不妊治療の甲斐がなく、赤ちゃん欲しさに浮気をしてその男の子どもを産んだ”などとアヤが話したそうです。 　仲がよかった私たちの様子をみていたママ友たちは、アヤの言葉を信じてしまったと。『今思えば、フサエさんをつなぎ留めたくて悪い噂を流し、孤立させることで仲を取り戻したかったのではないか』って言うんです」 　もう誰を、何を信じていいかわからない、ウワサも完全に消すことはできないと精神的に参ってしまったフサエさんは、誰にも告げず引っ越しする道を選びました。 　今は新しい地で知り合ったママ友と、深すぎない付き合いを心がけているそうです。 ＜TEXT／千葉こころ　PHOTO／Olga Reutska＞ ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】