一つ気になることがあります。日本でも知る人ぞ知るイルサンジェーのショコラ。本国フランスでの認知度はどれくらいなのでしょうか?
というのも以前フランスで、チョコレートについてフランス人と話していたときに、衝撃の事実が発覚しました。なんとその場にいたフランス人4~5人が、『ジャンポール・エヴァン』も、『メゾン・ド・ショコラ』も、『ダロワイヨ』も、「
知らない」と言うのです。
そして口をそろえて言ったのです「
ショコラはスーパーで買うからね」。
まさかの答えに、その場にいた日本人全員が絶句……ということがありました。
これがすべてのフランス人に当てはまるわけではないでしょうが、少なくともブランド名や流行といったものに左右されず、自分の良いと思ったものを買うという国民性が表れているなと思いました。
その一方で、チョコレートというものを芸術・文化として国が認め、職人に称号を与えるところなどは、フランスの懐の深さを感じます。
そんなこんなを考えながら超高級ショコラを一粒ずつ味わう時間は、とても豊かで幸せなひと時でした。
<TEXT/青山文>