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入社後すぐ倒産!じゃあなぜ採用したの?

 景気が上向いていると言われるが、心配なのは4月の消費税アップ。中小零細企業の倒産を心配する専門家もいる。2013年4-9月の倒産件数は、前の年より減ったとはいえ5320件。自分の会社、パートナーの会社がヤバいかも! という倒産の予兆は見抜けるのだろうか?

  倒産を経験した人に取材してみた。

まったく理解できない!倒産間際の新規採用



「入社して間もないうちに、『会社が倒産に向けて動いているらしい』と先輩から聞かされました。『どうしてこんな時期に新人を雇ったのか、社長の意図がわからない』とも話していて。そんなの、こっちが聞きたいですよ……」

 ため息交じりに語る京都府在住のデザイナー・加藤美菜さん(仮名・32歳)。それもそのはず、彼女が2年前に入社した中堅のフリーペーパーの制作会社は、入社後わずか半年で倒産してしまったのだ。

「入社後は広告営業部に回されて、すぐに社長からひとりずつ“売り上げ必達額”を突きつけられ、『クリアできなければ会社は倒産します』と真顔で言い放たれました」

 媒体自体も配布エリアやターゲット、ページ数などあらゆるものが削減・縮小され、徹底的にコストダウンが実行され続けたが、経営が持ち直すことはなかった。

「倒産は1か月前に社長から告知されました。それから1か月間は有休が設けられ、各社員は再就職活動に専念できましたし、退職前の処遇は手厚かったと思います」

 泣きながら社員に「悔しい、申し訳ない」と詫びていた社長に、加藤さんは最後まで自分を採用した理由を聞けなかったと言う。

「給料の未払いもなく、最後まで尽力してくれた社長には感謝しています。ただ、なぜ私は採用に……」と疑問を隠せない加藤さん。

 資金繰りがカツカツの中小零細企業の場合、アテにしていた融資や発注がダメになったら一発で倒産……ということもありえる。なんとか立て直せると思って人を採用したが、その読みが甘かった、ということなのだろうか?

 求人を始めてから実際に採用できるまで数か月かかることもあるので、その間にどんどん経営が悪化していった可能性もある(特にハローワークに求人票を出すのはタダだから、こういう会社が混じることもあるとか)。

 いずれにせよ、応募者側からしたら迷惑としか言いようがない……。

<ILLUSTRATION/Jorgenmac>

― 経験者に聞く「倒産の予兆」【6】 ―




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