「なんとかして前で見たい。大好きな◯◯くんの視界に入りたい。お金を積んで譲ってもらえるなら、それでもいい」と思いつめる人は、割り切って良席を買いに走る。
一方、「友達が行けなくなってチケットが余ってしまった。席はよくないけど、空席を作りたくないから安価でも行きたい人に譲りたい」と、定価以下や、時には無償でチケットを譲る人もいます。
事情も思惑もさまざまなのに、ひとくくりに「転売はNG」としてファンを責め立てても何もいいことはありません。ケースに見合った対策をとるべきで、たとえばこんな感じはどうでしょうか。
1.公演に興味はなく、儲けるためだけにチケットを売買した場合
いわゆるダフ屋行為。これについては厳格な取り締まりはやむなしと思います。
2.欲しい席を入手するためにチケットを相場価格でやりとり
ファン同士が座席の価値を共有し、その席に見合った価格を設定して売買している場合。
これは、前述のように席種で価格を細かく分けて販売することが抑止になるかもしれません。ファンの中には、「座席ごとに公式にオークション販売してほしい」といった声もあります。
以前、芸能人のレアアイテムをオークション形式で購入する「ハンマープライス」という番組がありましたが、主催者が公式オークションを行い、落札額からチケット代を引いた余剰分は赤十字に寄付するなどすれば、あるいは可能性があるかもしれません。
急病や仕事などやむをえない事情があり、チケットを定価で手放したい。もしくは、思いがけず都合がついたので、申し込めなかった公演を見たい――。
これについてはファンの裁量にまかせてくれていいと思いますが、もし介入するのであれば、行けなくなったチケットは主催者が買い取り、公式にリセールを行うなどの対応が望まれます。
一部女性アイドルらの公演では、「行けなくなった人が登録したチケットを、行きたい人にあてがう」マッチングシステムを導入しています。とてもいい制度だと思いますので、ぜひ参考にしていただきたいところです。
以上はケース別に見た対応の一案ですが、ほかにもいろいろなご意見があると思います。
いずれにしろ、楽しいはずのコンサートが憂鬱な場になってしまっては、それこそ音楽に未来はありません。ジャニーズのみならず業界のみなさんには、きめ細かくファンの事情に沿ったルールを設けてほしいと、願ってやみません。
<TEXT/みきーる ILLUSTRATION/二平瑞樹>
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【みきーる】
ジャニヲタ・エバンジェリスト。女子マインド学研究家。応援歴20年超のジャニーズファン。女心を知って楽しく生きるためのライフハック“女子マインド学”を提唱。著書に『
ジャニヲタあるある』(アスペクト)『
ひみつのジャニヲタ』(青春出版社)他。Twitterアカウント:
@mikiru。
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