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『おそ松さん』サントラは大傑作!アニメを見てなくてもうなる音楽の自由さ

 思わぬところで、大傑作に出会うものです。ある晩、本を読みながらテレビをつけていると、やたらタイトなベースラインと打楽器の絡みが流れてきたのです。ひょっこりひょうたん島みたいにひょうひょうとした曲調と、豪快に鳴り響くホーン。 “おかしい。『CDTV』でこんなかっこいい音楽が流れるはずがない!”  あわてて画面に目をやると、アニメ『おそ松さん』のサントラ(9月7日発売)だと判明。リードトラックの「おそ松さん!」に、心奪われてしまったのです。

アニメを見てなくても、楽しすぎるサントラ

『おそ松さん』はアニメもマンガもノータッチの筆者。不明を恥じつつ、2枚組サントラをゲットしたところ、これがまためくるめく音楽の大図鑑。最初から最後まで楽しすぎる一枚でした。
おそ松さんサウンドトラック

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 ぱっと聞き取れるだけでも、クラシック、ジャズ、ブルース、シャンソン、ヘビメタ、エレクトロ、演歌、挽歌、ゲーム音楽に、北島三郎や中島みゆきのパロディ。挙句には、クリスマスキャロルまで。文字通り、何でもアリ。  たとえば「OSO」(1枚目 トラック25)は近年のカニエ・ウェストを思わせるサウンドスケープですし、「土下座」(1枚目 トラック31)を聴けば、ピンクパンサーが浮かんでくるといった具合で、とにかく扱っている音楽の幅が広いのです。

音楽好きがうなる、音楽の大図鑑

 さらに興味深いのは、アレンジの妙味。 「実松さん」(2枚目 トラック26)のあとに「十四松と概念」(2枚目 トラック27)を聴いて、どちらも同じメロディを元に作られていると気づく人はどれだけいるでしょうか? 短調と長調の違い。リズムパターンや楽器の構成が違えば、曲もまるごと変わってしまうことを、改めて教えられる。  そんな音楽のレッスンがエンターテイメントになっているのですから、もう至れり尽くせり。
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作曲者・橋本由香利のことば
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おそ松さん オリジナルサウンドトラック

古き良き昭和の時代―。一世を風靡した名作ギャグアニメ『おそ松くん』。それから時は流れ、現代。赤塚不二夫生誕80周年という記念の年に、あの六つ子たちもひそかに成長を遂げて!?帰ってきた!豪華スタッフ&キャスト陣が全力でお届けする問題作『おそ松さん』のオリジナル・サウンドトラック。

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