松山ケンイチ×東出昌大、『聖の青春』を語る。「これは同じ志を持った者の純愛もの」
29歳でこの世を去った天才棋士・村山聖さんを描いた『聖の青春』が公開中です。
聖さん役で主演の松山ケンイチさんと、村山さんのライバルで今も第一線で活躍する羽生善治さんを演じた東出昌大さんにインタビュー。松山さんが「燃え尽きた」と語るほどに力を注いだ作品へのふたりの熱が伝わってきました。
――松山さんは村山さんを演じるにあたり、ご自身でアプローチされたとか。
松山:ちょうど30代に入るタイミングで、自分のなかで全身全霊をかけて役を作りたい時期だったんです。限界を超えたところで見える景色を体験したかった。平清盛を演じた大河ドラマのときにもそういう経験はできましたが、さらに先に行ける役を探していた。それがまさにこの役だったんです。
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――東出さんはもともと羽生さんの大ファンで、劇中でつけている眼鏡は羽生さんのものだとか。
東出:羽生さんにお会いしたときに、「当時使われていたものを作ろうと思うんですけど」とお話ししたんです。その眼鏡をつけて生活したいなと思って。そしたら次にお会いしたときに、ブランドを思い出したとかではなく「家にあったので、さしあげます」とくださったんです。村山先生の遺品のネクタイを松山さんがつけていらしたように、また、劇中に出てくる村山さんの駒が実際に使われていた駒だったように、森(義隆)監督らしくドキュメンタリーになっているところが多分にあると思います。
――共演されていかがでしたか?
松山:東出さんに羽生さんをやっていただいて、本当に助かりました。将棋や羽生さんへの愛情をすごく持って現場に来てくれたので、とても影響されました。オーラとして出ていましたね。だから村山さんが羽生さんに抱いていたような憧れや尊敬やライバル心が素直に湧き上がりました。
東出:僕は事前に監督から、現場で松山さんと話をするなと言われていました。それから松山さんは僕より2週間先にクランクインしているので、現場は村山組になっているはずだと。そこに最強の異物として来いと言われました。現場では、村山さんがそうであったように、松山さんがみんなから愛され、みんなの中心に自然といました。だから僕はあの頃の羽生さんと同じように、殺し合いをするつもりで現場に入りました。
さらに先に行ける役を探していた(松山)
殺し合いをする気で現場入り
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