
『アズミ・ハルコは行方不明』より
――ご自身の顔がグラフィックアートとして作中にたくさん登場しています。
蒼井:あんなに使われると思ってなくて(苦笑)。何用だと思って撮ったんだろう。すごく気の抜けた顔してて、角度とか、もうちょっと頑張れたかもと思いましたけど。まあでも、諦めました。自分の造形は、もとの骨のつくりがそんなに華やかなタイプではないから、別方向の方が活かせるだろうと、華やかさよりも地味さを楽しみたいなと思うようになりましたね。造形がきれいなことってそんなに大切じゃない、という逃げ道を見つけました(笑)。
――自分の造形を好きになれた。
蒼井:好きにはならないけど。きれいな人を見たらポッとなりますし。あんな顔に生まれていたら人生違うだろうなと思います。でも自分の持って生まれたものは認めてあげないと、誰も認めてくれないぞと思っていて。好きと認めるとはちょっと違うと思いますが、受け入れないと何も始まらない気がしています。
――最後にお気に入りのシーンを教えてください。
蒼井:自分のシーンではないんですが、終盤、いろんな年代の女性がいっぱい出てくるシーンがあるんです。あのシーンを観て、この映画を作ってよかったなと感じました。世のすべての女性に捧げるという感じがすごく出ていて。松居監督の女性リスペクトが詰まっていると思います。

『アズミ・ハルコは行方不明』より
<TEXT&PHOTO/望月ふみ>
『アズミ・ハルコは行方不明』は12月3日より新宿武蔵野館ほかにて全国公開
配給:ファントム・フィルム
(C) 2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
@mochi_fumi