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講談社次長の逮捕で考える…イクメン幻想と、夫婦トラブルのドロ沼化

――そうは言ってもやはり、父親にも育児をしてほしいし、夫婦の意見も一致させたいと思ってしまいます。

おおた「子育てや教育について、どちらが正しいのか白黒つけようとすると、さらに深みにはまっていきます。あいまいにしておくほうがいい。正論をつきつけるのではなく、お互いの考えの落とし所を見つけることが重要なんです。

 妻の視点と夫の視点、どちらも大切だと認めること。夫が子供といるときは夫のやりかたに任せてみたり、『勉強のことは父親が決める、食事のことは母親が決める』とか、守備範囲を決めるのもいいでしょう」

イクメン

写真はイメージです

――なかなか難しいですね…。

おおた「ぜんぶを自分の思い通りにしたいと思っていたら、難しいでしょうね。思い通りにならないものだと思っているくらいでちょうどいい。

“すべてを思い通りに”と思っていると、いずれ子どもにも、思い通りに育つことを求めるようになってしまう危険性があります」

仕事と育児で、疲れ果てて険悪になる夫婦たち



――容疑者である夫は、SNSに家族のために食事を作る様子や、子供との楽しいやりとりを投稿していて、家庭ではイクメンでありよき父であったことがうかがえます。

おおた「でも夫が“イクメン”であることは、妻にとって必ずしも良いことばかりではないんですよ。

 たとえば、妻が周囲の人から『旦那さんイクメンでいいわね』『育休まで取ってもらえてラクよね』などと言われれば、『まるで私が手抜きをしているみたい』とイイ気がしない妻もいる。

 むしろ『私は毎日毎日、育児をやっているのに! たまにやったぐらいでイクメンづらしないで!』と夫にムカついてしまったりする。夫がイクメンであることをアピールすればするほど、妻はそれを否定しようとする不毛な戦いに発展することすらあります。

 仕事も育児も完璧にがんばろうとして、ヘトヘトになって心の余裕がなくなる夫は多いし、妻にとってもプレッシャーですよね。

 バランスとしては、ちょっとダメ亭主を演じるぐらいのほうがいいのかもしれませんよ」

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 育児をがんばればがんばるほど追い詰められていく夫と妻。おおたさんの著書『ルポ父親たちの葛藤 仕事と家庭の両立は夢なのか』には、そんな夫婦たちの実例が描かれています。

おおたとしまさ

おおたとしまささんも2児のパパとして子育て中

 では、夫はどのように育児に追い詰められていくのでしょうか。次回はおおたさんが主宰する「パパの悩み相談横丁」に寄せられた悩みを挙げて、その現状を紹介していきます。

【おおたとしまさ氏プロフィール】
1973年生まれ。現在14歳、11歳の2児の父。育児・教育ジャーナリスト、心理カウンセラーとして活動。著書は『ルポ父親たちの葛藤 仕事と家庭の両立は夢なのか』『大学付属校という選択』など多数

<TEXT/瀧戸詠未>

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大学付属校という選択 早慶MARCH関関同立

大学入試改革開始を2020年度に控え、中学受験で大学付属校の人気が高まっている。入試改革の不透明さを回避するためだけでなく、大学受験にとらわれることのない教育そのものが「脱ペーパーテスト」路線の高大接続改革を先取りしているからだ。早慶MARCH関関同立の11大学に焦点を当て、大学付属校で学ぶ意義を探る。

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