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ししゃも?ドコモCMで話題のSHISHAMOが、そこらの若手バンドと違うところ

“取るに足らないこと”を巧みに歌詞にする

 それは歌詞についても同様。自分たちの知っていることしか歌にしないのです。たとえば、「がたんごとん」(作詞・作曲 宮崎朝子)という曲にあるこの一節。 <隣の人のイヤホンから漏れる音楽に気付いて 自分のイヤホンの音量気にしたり この人と同じ風には見られたくはないなあ そんなことを考えて あの街へ> http://youtu.be/RlnFzL_GRSs  取るに足らないのは分かっているけど、なんだか引っかかってモヤモヤする。幸せになりたいけど、そのための一歩が踏み出せずにいる。それが楽にできたら苦労なんてしない。言葉にするのは難しい“分かっちゃいるけど”なグダグダ感をすくい取る。それを詞の中のキャラクターを使って巧みに描き出している点が、優れているのです。  さらに注目すべきは、言葉とメロディの絡み方。ストレートなコードでつながっているのに、“え、そこへ行く?”と聴き手をハッとさせる心地よい飛躍があるのです。特に、<がたんごとん がたんごとん 生活リズムの妖怪だ>の部分に至っては、もうマジック。この勘の良さは吉田拓郎に通じるものがあると言えるでしょうか。  そして、「がたんごとん」という言葉のリズムからベースとドラムのコンビネーションが形作られているのが、本当に素晴らしい。彼女たちが日本語の音韻を大切にしていることが分かる演奏だと思います。浜口庫之助や奥田民生の「イージュー★ライダー」のように、時代を超えて愛される曲のエッセンスが詰まっている。  というわけで、まだ20代前半と若い彼女たち。ぜひ長く音楽を続けていってほしいと思わせてくれる、愛すべきバンドです。   <TEXT/音楽批評・石黒隆之> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
石黒隆之
音楽批評。カラオケの十八番は『誰より好きなのに』(古内東子)
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SHISHAMO 4

SHISHAMO、約1年ぶりとなるアルバム!Gt,Vo宮崎朝子が旅をするMusic Videoで話題を呼んだシングル「夏の恋人」ほか、NHKみんなのうた(2017年2~3月放送分)に書き下ろした楽曲「音楽室は秘密基地」や、「きっとあの漫画のせい」などを収録。 (C)RS


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