さて、この3本からどれを選ぶかだが、わたしのおサイフ事情的には、金ぶち2万円台が良さそうだ。Mさんも「あ、これ、腕時計と並べたらインスタ映えしそうじゃないですか？ ほら！」とか言って、楽しそうに写真を撮っていた。インスタ映えのことまで考えてくれる担当編集者。ありがとうございます。今回はこれに決めます。 ⇒【写真】はコチラ https://joshi-spa.jp/?attachment_id=665513 　今回学んだのは、顔が違うと、オススメされるメガネも全然違うのだということ。「モデルの誰それと同じやつ」なんて理由で選んだら絶対に失敗するのがメガネなのだ。ということは、自分の顔と向き合うしかないのであり、自分の顔が好きじゃない人には、苦行かもしれない。でも逆に、メガネひとつで顔面偏差値がちょっと上がれば、人生はちょっと楽しい。実際、お客さんの中にも、メガネを変えたら、性格まで変わった人がいるという。 「自分はこういう顔だから、こういうメガネしか似合わない！ って思い込みすぎているお客さんが、メガネひとつでこんなに印象変わるのか！ って知ったときの喜びようはすごい。それをお手伝いするのも、楽しいことです」と語る母と、それに黙って頷く父。理想のメガネに出会った人は性格まで変わってしまうのだ、すごいな。でも実際「わたしはメガネ似合わないんですよ。なにをかけても嘘っぽいというか、AVに出てくる女教師のようになってしまうんですよ（泣）」と言っていたMさんも「あ～これは似合う！ ちゃんと似合うのもあるんだな～！」と驚いてたしな。 　ということで、最後はちょっといい話になってしまったが、とにかく「リムの真ん中に黒目」「自分の顔が濃いのか薄いのかを見極める」「ハウスブランドから選ぶ」の3点を押さえれば、最速で美人見えメガネを手に入れることができる。 　あと、個人的には「似合う」メガネはけっこうあるっちゃあるので、恥を捨てて「美人見えする」メガネに絞った方が「これだ！」と思えるものに出会えるように思う。それから、自分の先入観より第三者の意見が大事だ。わたしひとりだったら、あのイチオシのセルフレームなんて、見向きもしなかった。自分の顔のことは、自分が一番わかってない、それを痛感させられたメガネ選びだった。メガネ屋の娘でさえそうなんだから、みなさんに至っては推して知るべしである。 【トミヤマ・ユキコ】 ライター・大学講師。大のパンケーキ好きが高じて著したガイド本『パンケーキ・ノート』（リトルモア刊）が話題に。大学では少女マンガ・サブカルチャーについての講義を担当している。そのほか「週刊朝日」、「文學界」、「ESSE」などで書評・コラムを連載中。ファッションに対して積もり積もったコンプレックスあり。 Twitter：@tomicatomica （タイトルイラスト／澁谷玲子）